第12話 カミノミチシルベ
チュンチュンチュン....
「う〜ん...あまり寝られなかったなぁ・・・」
卵の健康診断の朝。
コトリはシグナス先生の話から少し不安に思う反面、ドキドキ感が押し寄せており、好奇心旺盛な性格もあって、遠足の前日のような感じがずっと続いていた。
そんな気持ちを抑え、目を擦りながら共有スペースに行くとミネリアが・・・
「あっミネリアちゃんおはよー」
「・・・おはよ」
相変わらずの態度であるミネリアは"イザとレイの物語"を読んでいる。
「今日だね!健康診断!」
「・・・そうね」
「・・・」
「....あっあのね!私もミネリアちゃんが読んでいるその本読んでみたいから読み終わったら貸してほしいの」
「...??」
なんであなたがこんな本を?
と直接言っているような顔をしてこっちを見てきた。
「・・・あっこの前ミネリアちゃんいなかったね!私ね、絵本作家になることが夢なの!!」
「だから、いろんな本を読みたいなって!」
「...そう。終わったら渡すわ」
「ありがとう〜!!」
「・・・いえ別に」
「あぅ。。。」
スタスタスタ....
「おはよう〜さん・・・」
.....
そうこうしているうちに全員が揃った。
「必要なものは・・・いつものふろしきに卵・・・キッカちゃんこれだけだっけ??」
「おーそう言ってたそう言ってた!」
「うん!じゃあ行きましょ〜!」
「コトリ張り切り過ぎ(笑)リーダーみたいやん(笑)」
「そんなことないよ〜でも、楽しみだからやる気満々のは正解!(笑)」
「ミネリアちゃんもターニャちゃんも用意大丈夫かな!?」
「あなたに言われなくても平気だから気にしないで」
「・・・私は大丈夫よ〜(笑)」
「あっ,,,,ありがとう〜」
「じゃあ行こうっか」
「おう」
ガチャ…..スタスタスタ……
ミネリアが指定した場所は世界樹リーファの上層部分。
私たちがいるところからテクテク歩いて20分くらいはかかった。
その場所に着くと、そこには世界樹リーファの中に入れるようになっている大きな両開きの扉。
かなり年月を感じる木製のドアノブがあり、それ以外は特になにも表記などはない。
「・・・ここかな」
みんなが固唾を飲んで扉を見上げている。
あのミネリアでさえこれまで見てきた中でもさらに異様さを感じているようだった。
元いた世界では絶対に見られないもの。
ギリシャ神話に出てくるような場所が目の前にある。
スタ…
スタ…スタスタ
…ガチャ
みんな無言のまま前に進み扉を開けた。
スタスタスタ…
扉の先には薄暗い横幅の狭く長い道。
その先に少しの光が漏れている。
スタ….スタ…
行き着くとまた両開きの扉。
扉の隙間から光が漏れているのがわかる。
ガチャ…ギィー…
ガヤガヤガヤ…
「あっ・・・」
さっきまでの暗闇とは異なりそこには大きな水滴の中のような空間が広がって上を見上げると所々の木々の隙間から光が差し込んでいる。
そして一番最初に集まっていた他のメンバーもチラホラと。
「・・・着いたのか・・な?」
「みたいだな」
「ほぇ〜!!!!」
「どうしたのターニャちゃん??」
「いや〜ほんと映画の中みたいだよぁ〜って!興奮が止まらないぜ〜!!(笑)」
「ターニャちゃんったら(笑)ドキドキはわかるけど落ち着きなさぁーい!」
「いいや〜ん!楽しもうぜ〜(笑)」
「・・・(うるさいな)」
ミネリアがそんなやりとりを見て聞こえないような声で呟いた。
「あっみなさ〜ん!お待ちしていました〜!」
そんな一同に声をかけてきたのはハヴァ先生。
その後ろにシグナス先生が手を振って待っていた。
「あぁ〜先生〜!!!」
「みなさん、ちゃんと来てエライわ〜」
「先生先生〜!すごい神秘的なところですね!」
「うふふ(笑)そうよ〜ここが卵の健康診断をする場所!の入り口で、このさらに奥が"カミノミチシルベ"と呼ばれている空間よ」
「その空間でそれぞれの卵を診断していきますので〜」
「"カミノミチシルベ"??」
「はい!すごいみんなにとって大切なところなの〜」
「それじゃあ、コトリちゃんから始めましょうっか〜!」
ついに到着した卵の健康診断をするところ。
そこはこれまで以上に感じたことのない空気が漂っている。
そして、"カミノミチシルベ"。
この名前が意味するものとは・・・
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まだまだこれからも執筆していきますので、面白い!や気になった!などがありましたら、
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