第9話 世界樹リーファ
「それじゃあコトリちゃん、部屋にいる2人を呼んできてください〜」
「あっわかりました〜」
トットット…..コンコン…ガチャ
「ごにょごにょごにょ……」
先生に言われるがままに2人を共有スペースに来るように呼びに行った。
…
「さっ2人がくるのでターニャちゃんはこちらにいらっしゃい〜」
トントンっ
そう言いながら卵の上に座っているターニャを自分の横の椅子に来る様に促した。
「あっ…うっす」
先程のこともあって少しばつが悪い。
が、まっすぐ見てくる先生に気圧され、卵をそのまま持ち移動し始めた。
タッタッタ
「そうだ〜ターニャちゃん?卵は大切にって言ったのに〜」
「先生少し悲しいわ〜」
「あっ・・・でも・・・」
「そのままだと、いずれ後悔すると思いますよ」
「い、一応大切にしてる・・・つもりっす….」
「それに、もしかしたら取り返しのつかないこととかになっちゃうかもですよ〜」
「だから、もう一度・・・ちゃんと考えてほしいなぁ〜と思います」
「・・・わかり・・ました」
そうこうしているうちに、共有スペースに全員が集まった。
トットットッ
「あっ先生だー」
「こんばんはです」
「2人ともお邪魔しています〜」
「急にごめんなさいね、みんなに伝えたい事があるのでお呼びしちゃいました〜」
「早速なんだけど、みんな座って〜」
「はーい」
「はい」
ストンットン...
コトリ、キッカ、ミネリア、ターニャがこうして家で顔を合わせることもこれまでなかったが、シグナスを囲うようにみんな座った。
「今日はみんなに2つのお話があります」
「まず1つ目は・・・」
「この世界の話と、私たちが足を踏み入れては行けない領域のことです」
「この・・・世界のこと・・・」
コトリがずっと、いや恐らく全員が思っていたであろうこと。
この世界ってなに?なぜこんな見たこともない世界があるのか??
などということ。
その話が・・・
「ちゃんとお話ししていなかったですし、それに危ない場所があるので」
「いきなり過ぎてよく分からないんですが、危ない所もあるんですか??」
いきなりの発言を想定していなかったミネリアとキッカはキョロキョロ顔を合わしたあとにミネリアが聞き返した。
「そうです」
「まぁそんな場所もやっぱりありますよね」
「世界はとっても大きいのでね〜」
「では、まずは・・・」
いつもの口調の先生に戻り話し始めた。
「まず、皆さんがいるここはラティス星と言います」
「そして、5つに分断されている大陸の1つ、さらにその大きな大陸が4つの国に別れています」
「そして私たちがいるところはミコト国と呼びます」
「ミコト・・・国」
「そうですミコト国です」
「ずっとずっと昔から変わらないままであると言われていますね〜」
「そして、この私たちが住んでいるこの大樹は、世界樹リーファです」
ごくり・・・
そんな唾を飲み込む音が聞こえそうなくらい4人は真剣に聞いている。
「この世界樹リーファが持つ強大なエネルギーが自然を豊かにし、木々はもちろん様々な生き物が集まってきて国が出来上がるのです」
「そんな世界樹リーファですが他にも、世界樹ラムル、世界樹ソルティエなど呼ばれるものもあります」
「そうなんだぁ…..」
「先生先生!その世界樹の名前って誰がつけたの??」
好奇心が止まらなく聞いてしまうコトリ。
「う〜ん…..誰がつけたのかは分からないですね〜」
「もしかしたら神様かも??だから悪いことできませんね(笑)」
「神様なんているわけないじゃないですか〜」
「うふふ、そうかもねってこんな話はおいといて(笑)」
「私たちが行ってはいけない領域の話をします」
「あっ、はーい….」
少し不満そうなコトリ。
「その場所はこの世界樹リーファの下部、もっと言うと太陽の射していない根本などの場所です」
「太陽の射さない・・・場所?」
「そうです、そこにもたくさんの生物がいますし私たちにとって悪い生物もいます。そこは私たちのいるところとは真逆の世界が広がっていますので〜」
「一旦、ここまでで何か質問はありますか〜?」
初めて聞いたこと。
この世界のことと外のこと。
それぞれが顔を見合わせて挙手をした。
「はーい先生!!」
「はい、コトリちゃんなんでしょうか〜?」
「そしたらそしたら、ここ以外にも国ってあるんですかー!??」
「ありますよ〜先ほども言ったように世界樹の元、国ができますからたくさんの国があります〜」
「先生は他の国に行ったことあるんですかー?」
「ん〜ないのですよ〜」
「ミコトの国だけでもす〜ごい広いからね〜(笑)」
「はい、他には〜?」
「あっあの・・・」
「リーファにあった図書室においてあるこの本なんですが….」
そう言いながらミネリアが本を前に出し質問をした。
「イザとレイの物語ね」
「はい、この本の中に世界樹リーファーを作ったのは1羽の鳥と書いてあったのですがそうなんですか?」
「その絵本に書かれていることは本当のことだと伝承として残されているわ」
「けど、誰が書いたとか、いつからある絵本だとか詳しいことは分からないかな」
「そうなんですね….」
「ミネリアちゃんはなんでその本を??」
「それは・・・」
「何故かわからないんですが、図書室に入った時にこの本に呼ばれて手に取ったような感じ....です」
「あらあら〜もしかしたら何かの運命だったのかもですね〜」
「さて、次に話したいこともあるので、ラスト1つですよ〜」
「あっはいはい!!」
「じゃあコトリちゃんで最後ね〜(笑)」
「・・・なんで私はこの世界にきたんでしょうか?」
「ん〜そうねぇ」
「…あなた達が奇跡に選ばれたからこの世界にきたんだよ〜」
「私たちが選ばれて・・きた??」
「そうですよ〜」
「この世界は幾重もの奇跡と素質がマッチした時に来れる世界なの」
「そして、みんなに渡した卵を配達することが使命」
「この卵を配達するために・・・きたの??」
チラッ…
そう言いながら膝の上に置いてある卵を見つめた。
「そう、だからあなた達は奇跡の配達員さんね」
「先生、全然分からないですよ!!!」
「うふふ、いつかわかる日がくると思うわ」
「だから私から言える事はここまでかな」
「もうー先生…..」
「はい、じゃあ次は2つめの話をしますね〜」
ひょんな事この世界の話を聞いた。
納得できる答えはもらえなかったけど、初めてきた時よりかは少しこの世界を知れたかも知れない。
でも。。
この世界とは?卵の配達とは??
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます!
いかがでしたでしょうか?
まだまだこれからも執筆していきますので、面白い!や気になった!などがありましたら、
ぜひお気に入り登録、評価、応援をいただけると嬉しいです!
またコメントもくださると今後の参考にさせていただきます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます