◆りくるーと・こすもす

 夫婦ともにオタクで、いわゆる“オタ婚”した男女が、夕食後にまったりしながらダべっています。


夫「魔法少女とかって根強い人気があるだろう?」


妻「そうね、今更という気はするけど」


夫「魔砲少女とか、血だまりスケッチとかの変化球も容認される時代だし」


妻「極論な気はするけど、まぁ、そういう風潮よね」


夫「なので、俺も考えてみたんだ。サラリーマンな魔法少女を」


妻「……それ、すでにどっかで連載されてなかった?」


夫「ふふん、アレはアレで大変面白いが、ちょーっと違うんだな、コレが」



*『魔法の新入社員り=くる~と・こすもす』*


 主人公は、二流大学を卒業したばかりの22歳の青年。結局卒業までに就職先が決まっていなかったのだが、「4月からフリーターか」と落胆してたトコロに、玩具やゲームの開発で知られる会社MMCからの採用通知が届く。


 入社試験を受けた記憶が定かではないものの、とりあえず説明会に出かけ、給料や福利厚生の良さ、さらに社員寮も完備という条件の良さに目が眩んで、つい入社同意書にサインしてしまう。


 そして4月。MMCに入社した早々に営業部に配属される主人公。戸惑いつつ営業部に向かうと、そこにはどう見ても中高生、下手したら小学生にしか見えない少女達しかおらず、主人公はさらに混乱する。


 直属の上司であり、唯一の大人の女性・英楓露夢(はなぶさ・ふろむ)部長いわく、営業部とは、この会社の主目的である「悪の組織と戦うための魔法少女が所属する部署」なのだという。「まぁ、アイドルと芸能事務所みたいなモンね」


 聞いてないよ~状態の主人公だが、抗議しようとした矢先に悪の組織が出現したとの知らせ。否応なく、先輩の魔法少女(パッと見は15歳、中身は30歳)に連れられて強制的に営業に出る(=出動する)ことに……。


 危険な現場に着いたため、嫌々ながら「変身」、不慣れ故のポカミスをしつつも、初出動とは思えぬ活躍を見せる。


 事件後、先輩や上司から「期待の新人」と褒められて、渋々(半分はポーズ)ながらもこの仕事を続けていくことを決意する。


「魔法少女り=くる~と・こすもす、我が社の未来を任されましたッ!」


・桜田秋雄(さくらだ・あきお)

  →雄田秋桜(おだ・こすもす)/リクルート・コスモス

 主人公。長身だがヒョロっとした冴えない印象の青年……なのだが、

 変身すると、真逆のちょっと小悪魔ちっくな11、2歳のロリ巨乳少女に。

 コスチュームはその名にふさわしく鮮やかな桃色で、フリフリヒラヒラ

 だが以外に肌の露出が多いタイプ。

 属性は「秋」で、敵味方のステータスを変化させたり、回復したり、と

 迎撃戦や持久戦系の戦法が得意(そのぶん、直接攻撃力はやや低め)

 という主人公らしくないタイプ。

 得意武器は、リーフダガー(落葉型の手裏剣)とコスモスの花を模した

 日傘(楯にもステッキにもなる)。


・株式会社MMC

 →表向きは「マーヴル・メディア・カンパニー」の略で玩具会社ということに

  なっているが、実際には「マジカル-メイデン・コンセプション」の意。

  密かに政府の支援を受けて設立された、対「黒の浸食」現象の組織。


夫「初任給20万8千円、夏冬ボーナスありで戦うヒロイン(?)ってのも萌えないか?」


妻「いや、そんなどや顔で言われても。あなた、疲れてるのよ」


 …………


(柱の陰で)妻「どうして私の過去をあの人が知ってるの!? 当時の関係者以外、知る者はいないはずなのに……」

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魔法少女ネタ2連ちゃん。こちらは小ネタというか、長編の導入部っぽいですが。

無論、奥様は(元)魔法少女かつ元男だったりします。

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