第9話 緊急事態

【3月2X日】




珍しく家に帰ると親父が居た。




「おにぃ。お帰り。」「ただいま。」


「久遠、お帰りー。」「ただいま。珍しいね親父。」




「まぁ、そうなんだけどな。俺、名古屋に転勤になった。」




「そうなのか、俺はそろそろ在宅勤務になるから大丈夫だと思うよ。」


「あれ?お前の職場って在宅できたっけ?」


「こっちにもいろいろあるんですよ、いろいろ。」




そう言いながら私はスマホを取り出し今日の帰ってくる前に登録したdoscodeのグループで一応報告しておく。




_____________________________________




         親父の都合で名古屋に引っ越しすることになったんだけど。


凛 


   マジですか。あ、でも新年度まで時間ありますよね。


   あと、妹さん大丈夫なんですか?




零  


   久遠さん、その話本当ですか?


   良かったら来月のデータ受け取り


   やらなんやらの時に家に泊めてあげますよ。




             いえ、零さん。お気持ちだけいただいておきます。




悠太 


   誰かMycraftやりましょうよ。




海斗


   元HUNTERふんたーは黙ってろ。


   まぁ、やるよマイクラ。






        悠太が通話を開始しました。




桜華


   私もやる―。




              そういえば、他言無用でお願いしたいんだけど。


              妹がvtuberだって話しする?




悠太


   マジで?あとで話を聞かせてクレメンス。




海斗


   そういえば、妹ちゃんってどこの高校なの?




凛 


   え゛。マジですか。後で、チャンネル名とか教えてください。





   おー、マジか。




              そういえば、高校じゃなくてな、高専なんだよ。


              親父が教師で、なんなら私よりも頭がいいからな。


              少しポンコツで可愛いけど。 


              愛知県にある高専だぜ。


海斗


   愛知県にある高専ねぇ。あー、豊田にある高専か。




              そうそう。俺は上の下くらいの私立だったからな。




海斗


   それだったら確かにお前より頭いいわ。




                       じゃあ一旦私は会話やめるね。






_____________________________________




そう書き込んで私はスマホの画面を消した。この間、一分だ。


「大丈夫だったよ。」


「そう。なら良かった。」


「あ、自分は顔合わせがあってもう明後日名古屋の方に行くから。新しい一軒家の住所がわかったらRINEで連絡するからね。手続きは全部自分が済ましておくから安心して。」


「分かった。」


「自分はもう寝るから、お休み。」


「「お休み。」」


そう言って親父、神坂響は部屋に寝に行った。


「早く寝たら?マイシスター。」


私は妹の心配をしてそう聞いた。


「大丈夫、あと。新しい家私の部屋は防音にしてもらった、周りの音が入ってきたら危ないからね。身バレとかにもつながるし。」


「そうか。」


そういえば、パソコンって。あー、もう一台買うか、ゲーム用じゃないけど30万円くらいするやつ。


支給はされないからね、絵とかなんとかは支給されるみたいだけど。そういえば、妹が使っているパソコンって何なのさ。


「そういえば、妹は何万円くらいするパソコンを使っているんだい?」


「25万円くらいだとか言ってたかな、マネージャーさんが。事務所からの支給品だからさー。」


なるほどねー。まぁ、社会人になった年に年末ジ●ンボ宝くじで一億円当選したからね。まぁ、pcとかグラボとかにしか使ってないけど。


「私も新しいpc買いたいからさ、明日にでも一緒に買いに行く?」


「行く!!」


そう、大きな声で妹は返事をしてきた。


俺も4000万円くらい出しますか、家に。親父が驚くだろうけど。


「そういえば、どこに所属してるの?」


私は凜に聞かれたことを聞くことにする。


「えっとね、バーチャルライフってところ。」


「へぇー、そうなんだ。」


そうして、私はdoscodeに書き込むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る