第18話
王は、少年と話している。わたしは、王に命じられるまま荷物を運んで来た。
彼は、王と共に笑っている。それが何を意味するのか、わたしは知らない。
こんな光景を、わたしはかつて見ていると記憶している。
あの時から、王は外への穴への警戒心を強めるようになった。
あの時から、わたしは何も変わってはいない。
あの時にいたわたしの仲間は、何人か入れ替わることになった。
2、3、4、6、7、8、10、12、14、15、16、17、19、20、21、22、23、26、29、32、35、計二十一人と記憶している。その後の定常業務に支障は特になかった。
33から、8区画の清浄槽の点検が済んだとの報告が入った。
37から、人工太陽の現在の輝度に本来の輝度とのずれが生じたとの報告が入った。
41から、2区域にて許容範囲外の雲の変質が確認されたとの報告が入った。
王は、何が起きてもここで待機せよとわたしに命じている。
その命令の意味を、わたしは知らない。
彼は、王やわたし達と比べると非常に背丈が高い。
わたしはこの場にある、23地点目の木の整備業務をこの後に控えているため彼にわたしの補助をしてもらえれば通常時と同様に業務を終えることが可能だ。
王は、今回に限っては待機命令によって通常時の業務内容との差異が発生しても許容するとのことだ。
彼に、23地点目の木の整備業務の補助をしてもらうという差異が発生しても許容すると解釈。
わたしは彼に対して、わたしの業務補助の要請を執り行うことにする。
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