第11話ただいま!ぼうけんしゃギルド!!!
街に戻った私達は、とりあえず落ち着ける場所を探しておネェ様のいる冒険者ギルドに戻ることにした。
「おネェ様!ただいま戻りましたぁ〜!」
「あらぁ随分早かったじゃない?どうかしたの?」
「実はですね…かわいい女の子を拾っちゃいまして!」
「……ゆら?無理なスカウトは犯罪よ?」
ああ、冗談ですおネェ様。やれやれって感じで杵を取り出さないで…(泣)
「あのぉ、は、はじめまして!鏡音いろはと申します。よろしくお願いいたします。おねえ様……?」
「あらぁかわいい!!!いろはって言うのねぇ私はアインよぉ。お姉様って呼んでくれるとすっごく嬉しいわぁ。」
「はい、お姉様!」
美人さんとかわいい女の子の掛け合いってなんかいいなぁ。じゃなくて、おネェ様に聞きたいことがあったんだった。
「おネェ様、キングラットの巣穴で《狂乱の》クイーンラットというNMの痕跡をこちらのいろはさんが見つけたんです。そのことに関しておネェ様から情報をいただきたくて…」
おネェ様は難しそうな表情で考え込み、少し押し黙ったあとに再び口を開いた。
「そんなことは普通有り得ないはずなのよねぇ…」
「「えっ?」」
「ゆらにあの巣穴を勧めた理由はねぇ、本当は秘密なのだけど…あそこは神獣の管理下にある場所だからなのよ。」
ん?神獣???
引っかかっている私を置いてけぼりにおネェ様は話を進めていく。
「この街のダンジョンであるキングラットの巣穴は神獣が管理することによって、適切に皆が鍛錬することが出来る場所になっているのよねぇ。だからこそ上位個体が産まれることがあったら神獣によって処理されるか、適切な鍛錬相手としてふさわしい相手に使われるはずよ。」
「でも、クイーンラットはそもそもの繁殖力の強さが災害級に指定されるレベルなのよねぇ。それのネームド、しかも知性なき《狂乱》の称号………普通なら産まれるはずがないのだけど………………」
炎くんたち随分やらかしてるんだなぁ。裁き足りなかったかな?
「アイツらがすみません!!!!」
「ん?どうしていろはが謝るのかしら?何か知ってることでもあるの?」
少しいただけのパーティなんだから律儀に謝らなくていいのに…関わってすらないんだからいろはさんは全く悪くないんだよ?
そしておネェ様小首を傾げつつ、杵を取り出そうとするのヤメテ…(泣)
「そうですねぇ。まさかそんな事に関わるなんて思ってもなかったんですけど、いろはさんが私とパーティを組んだ経緯を説明いたしますね。」
杵を向けないでくださいおネェ様。その杵はあの屑共に……
なんとか説得して杵を納めてもらって話始める。
「おネェ様に進められた通りに、キングラットの巣穴に行ったあとなにやら揉めているパーティに出会ったんですよ。」
「それが、私のいたパーティだったんですね…お恥ずかしい限りです………」
「気にしないでくださいいろはさん。それで、話を聞いたところどうやら鑑定士である事に難癖をつけていろはさんを今にもPKしそうな様子で脅していたんです。」
「あらぁ、鑑定士をこの街で虐めるなんて随分物知らずな連中ねぇ。知恵の女神のお膝元なのに…」
「そうなんですか?詳しく話を聞きたいところですが、とりあえず経緯の説明先にやっちゃいますね。そうして、ムカついた私がその馬鹿達をごうも…正々堂々戦って罪を聞き出したのですが、その中に神殿から宝珠を盗んで汚すというものがありまして……」
おネェ様が無言で物凄い笑顔になったんですけど!?
殺気が、すごい、死んじゃう…
「ふうん、そ・れ・でぇ、ゆらは何もしなかったのかしらぁ?」
あ、これ答え間違えたら死ぬやつだ
「裁定と断罪のスキルを使った上で最大限苦しめながら殺しましたけど、もしかして足りなかったですかね……?」
「ちゃんと、骨を折って舌を抜いて、内臓を撹拌したぁ?」
「そうですね。手足を切り落として目の前でトランプタワーにした後に、目を抉って耳を貫いて舌を抜きましたけど…内臓の撹拌はできませんでした………」
「それなら、十分よ♪さっすが私に何百回も挑んできただけあるわね♡」
死なずにすんだぁ…よかったぁ
「ゆらさんって…もしかしてやばい人ですかね?」
え、いろはさん。見捨てないで、そんな人間じゃない者を見る目で見ないで……
「で、でも、私は好きですよ!(どんな苦行も一緒に受けたいくらい……)」
「ありがとう…いろはさん………」
もしかして、いろはさんってちょっと怖い子?
気のせいだ。うん、気のせい。
「まあ、裁定と断罪が行われたのなら安心ねぇ♪どんな文言だったの?」
「確か、罪人に死を、咎人に苦痛を、永遠なる平穏の地からの追放をもってしてあなたは償い続ければならないのです。でしたかね?」
「あらぁ、神様も結構厳しい断罪をしたのねぇ。お怒りだったのかしら?」
「これってどういう意味なんですか?」
「罪人に死をで、この時点で1回は死に向かうことが確定していて、次の咎人に苦痛をで、拷問やそれ以外の苦痛系デバフの確定、そして最後に平穏の地からの追放でセーフティエリアや街への立ち入り禁止ねぇ。今頃神殿に復活することができずに、この世界のどこかをさまよって、セーフティゾーンに入れないから野宿しかできないんじゃないかしらねぇ。」
わぉ、結構な断罪だね。まあ、罪が罪だから仕方ないね。
「二度と会わなそうでよかったです。」
いろはさんいい笑顔だね。私もそう思うけど
「でも、神獣の件どうしましょうか?」
「そうねぇ、気は進まないけどこの街の神殿に行って作戦会議と行きましょうか。と・う・ぜ・ん、あなた達もね?」
「「はい……」」
ド〜ナ〜ド〜ナ〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いろはちゃんの㊙️情報1
VRゲームは初めて。初心者でウロウロしてたらあの塵芥に絡まれた。押しに弱い性格ゆえにゆらが登場するまで、逃げられずにいたらしい。
水色の髪でお目目は深淵を思わせる海のような色をしてる。かわいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます