第3話ちゅーとりあるです!


おネェ様に連れられ、やってきました訓練場。わァタノシミダナー。



「さぁて、あなた…ゆらだったかしら?あなたの武器を選んでちょうだい。質はそんなによくないけど、一応色々あるから。」



入口横の武器スペースに移動すると、そこには本当に多種多様な武器があった。オーソドックスな剣や槍から手裏剣やチャクラム、さらにただの棒などおよそ100種類以上の武器類が壁にかけられている。



「あなたの職業は装備に影響されないものだから、自分が選びたいものを選ぶといいわぁ。」



「あの、、、そのことなんですが私職業とかスキルについてイマイチわかってないんですよね…」



おネェ様は大きなおめめをまたぱちくりさせて固まっている。

あっ、まつ毛に付いてたラメが1個飛んだ。



「やっだぁ!ゆらは巫女なのに知らないなんて冗談きついわぁ………仕方ないわね、先輩巫女として色々みっちり教えてあ・げ・る♡」



おネエ様はウインクしながらそういうと分かりやすく解説し始めた。



「まず、職業っていうのは私達にお役目と能力を与えてくれるものね。お役目のことをあなた達みたいな異界からの旅人は、職業クエスト。能力のことを職業スキルと呼ぶわぁ。職業にあった行動をすることでレベルが上がり、限界レベルまで到達すると上位職業への転職の道が開けるのよ〜。この職業によって装備できるものが変わったり、獲得できるスキルが変わったり、中には使用可能スキルの制限までかかるものもあるのよぉ!

ただ、ゆらの場合はちょっと特殊で転職方法が普通のものとは違うのよぉ。ゆらはこの世界の巫女についての知識はあるかしら?」



「実はさっきの鑑定で職業、スキル、称号のことを初めて知ったので全くわかりません…」



ヘスティア様全部の説明すっ飛ばした疑惑…



えぇ…



でも可愛いから許す。



「まぁ!?巫女なのに、神からお役目を与えられてないなんて、随分と不思議な子ねぇ…?とりあえず一からきちんと説明してあげるわぁ。私たち巫女というのは神官の上位職業の一種よぉ。でも一般的な上位職業と違って巫女になるためにはカミサマから認められる必要があるのよぉ。だ・か・らぁ、認められさえすればゆらみたいになんも知らない子が巫女になることもなくはないのよぉ…」



えっ…ヘスティア様私を巫女認定してくれたってことは好きってこと???(違う)



「んぅ〜…?さっきからなんかちょっぴり乙女がしちゃいけない顔してるわよぉ?まあ、職業やスキルも知らないのに私の所に来たくらいだし、そこが気にいられてるのかしらねぇ…」



おネェ様が先程からしきりに小声で呟きながら首を傾げてるけど、どうしたんだろ?体調不良?



「あら、私としたことが説明が途中だったわねぇ。次にスキルについてだけど、簡単に言うと才能のことね。スキルレベルが高ければその分野で活躍することができるわぁ。でも、中にはレベルがないスキルもあって、最初は何もできなくて使いこなせて初めて効果を発揮するものがあるのよぉ。その分威力が桁違いだったり汎用性が高いものが多いのだけどね。あなた達風に言うとPS《プレイヤースキル》が必要なもの、ってことよ。」



ふむふむ。メモメモ。



「あとは称号だけどぉ、これはねぇ…実は詳しい効果はわからないのよねぇ。なんでかってい・う・と、カミサマがその人間の本質を見てつけるものだからなの。時にはマイナスだったりプラスだったり、称号によって可視化され確立されたその人の本質だからこそ効果を知ることは難しいのよ。特に悪しき者につけられる称号は本人ですら知覚できず効果を発揮し続けるのだからゆらも気をつけなきゃだめよ?まあ、巫女に選ばれたものなら大丈夫だと思うけどねぇ…」



ん…?私の称号って効果不明だったよね?もしかして実はヘスティア様からものすごい悪い効果つけられてたり?





………そんなこと天使なヘスティア様がするわけないよね。うん。




「丁寧な説明ありがとうございます、おネェ様。」




「あらぁ、今ゆらはあたしのことなんて言ったのかしら…?」



あ…ヘスティア様のことを考えてたら、つい心の中での呼び名が口に出てしまった…どうしよう…




「すみません…おネェ様と呼んでしまいました…あまりにもそう呼ぶにふさわしい雰囲気をアインさんが醸し出してるので…」



怒っているだろうなとこっそり頭を下げながら様子を伺うと、予想に反しおネェ様はお目目をキラキラ頬を興奮で赤く染めながら嬉しそうに



「違うのよぉ!私お姉様なんて言われたことなくてぇ!これからもそう呼んでちょうだい!!!」



んん?若干ニュアンスが違う気がするけどおネェ様が嬉しそうだからまあいっか。



「では、これからはおネェ様と呼ばせていただきますね。」



「そうしてちょうだい!」



おネェ様はしばらく口をゆるませて、嬉しそうにしていたけど、はっと何かに気づいたようにこちらに振り返り



「あら、やだ。まだ説明だけで模擬戦すらしてないわぁ。とりあえず武器を選んでちょうだいな。あなたの職業は武器は自由だけど、装備は神の祝福がかかったもののみ可能なものね。最初はどの武器があってるかわからないだろうから、適当に選ぶといいわぁ。合う武器が見つかるまで何回でも付き合ってあ・げ・る・か・ら・ぁ………ね?」



おネェ様が本気だ…多分逃げられないだろうから、とことん模擬戦と行くしかないな。

いい機会だし全武器試そっかな…最高の相手もいることだし…



じゃあ、まずは…























何も持たずにおネェ様と闘ってみようか。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゆらの生態2

アラームの音は聞いた人のほとんどが吐き気を催し気が狂いそうになる動画サイトに投稿されている音源。ある深淵なるものへの賛美歌と言われている曲。

ゆらちゃんは大好きらしいので、よく善意でおすすめしてくる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る