第2話ぼうけんしゃとうろくをいざ!


《始まりの街ファーストに転移しました》



ふと、気がつくと始まりの街に転移させられていた。

あれ、待ってプレイヤーネーム決めてないんだけど……

とりあえず、GMコールしようかな…そう思ってメニューを開くとメッセージが届いた。



《親愛なる私の巫女へ》

ごめんなさい……

PNプレイヤーネーム設定を忘れちゃったので、このメッセージにPNを書いて返信してください(*ノω・*)テヘ♡

添付:ハイポーション×3


え、ティアさんって意外とおっちょこちょい?

女神で優しくて美人でちょっとおっちょこちょい……











ヘスティア様まじ女神、好き……



はっ…ヘスティア様の魅力にやられるところだった。さすが女神様だね。


とりあえずさっさとPNを決めなきゃ………

んー…九重ゆらめだから『ゆら』でいいや。

送信してっと…


あれ、返信だ………


《親愛なる私の巫女ゆらへ》

ゆらってかわいい名前ね(。>▽<。)

この星空にゆらの名前が刻まれることを祈っているわ(*>ω<*)♡








かわいっ………




はっ、危うく記念すべき初デスが女神様によるものになるとこだった…


ヘスティア様と会う時は心の準備が必要だね。

んー、ポーションは飲めそうにないから回復魔法を使える人を探そっかな。できれば蘇生魔法使える人がいいなぁ…





とりあえず人の集まる場所に行こっかな。確か冒険者ギルドでチュートリアルが受けられるって聞いたし、それをこなしつつ回復役の人を探してみよう。


ティアさん(超絶最かわ女神様)のメールをスクショして永久保存しつつ、ギルドに辿り着いて冒険者登録をする。



「ようこそ、ファーストの冒険者ギルドへ。あなたの冒険者登録を担当するアインと言いますぅ。」



他の混んでいる受付をスルーして、誰も並んでいないサラサラな金髪にぱっちりとした青いおめめの街行く誰もが振り返るような見事な美貌。丸太程の大きさの筋肉質な腕、野太い声のおねエ様のもとに行く。



「よろしくお願いします。冒険者登録と戦闘の際の注意点などがあったら教えていただきたいです。」



おネエ様は目をぱちくりさせて



「やっだぁ!礼儀正しくていい子だわぁ!?荒くれ者ばっかりの冒険者には滅多にいない子じゃない!

…私、あなたのこと気に入っちゃったわぁ。せっかくだから鑑定が終わって冒険者登録を終えたら戦闘指南してあ・げ・る♡」



おぉ、気に入られたみたい。おネエ様はこの冒険者ギルドの中でも特異なオーラを放ってたから、凄い人だと思うんだよね。

なんか他の受付の子は町娘っぽいけど、おネエ様は歴戦の戦士みたいな風格あるし。



「ありがとうございます。アインさん。」



「いいのよぉ。それが私の仕事なんだから。じゃあ最初にステータスと職業、種族などの鑑定をするわねぇ。この情報は外部に漏れないよう誓約魔法が私たちにかけられてるから安心してねん。」



そう言うとおネエ様は大きな石版のようなものを取り出した。



「わかりました。」



「じゃあ、ちょっと嫌ぁな感じがすると思うけど我慢してねぇ。」



体になにかがまとわりつくような不快感が一瞬起こると、おネエ様のもつ石版に光る文字が記されていく。



《名前》ゆら


《種族》古代精霊種

《職業》平穏の巫女

《副職業》異端審問官


【スキル】


・ヘスティアの加護

ヘスティアの権能の一部を使用可能になる

・猫の目

暗視

・猫の爪

爪が生やせる

・犠牲

自分のHPを削ることにより、対象を癒す

・巫女の祈り

神に祈りを捧げる。特に効果はないようだ。

・裁定

対象の罪を裁定することで自身を大幅に強化する。冤罪の場合、即死する。

・断罪

裁定した罪に応じて、対象を弱体化させる。冤罪の場合、自身のデスペナルティが通常の10倍になる。

・???

……?貴女の███の先に■■は███けて██。


【称号】

・女神ヘスティアを見つけ出した者

よく見つけましたね♡効果は秘密です(・×・)

・女神ヘスティアのお気に入り

貴女を見守っていますからね。こっちもナイショです( *・×・*)クチチャック!!

・巫女

神と対話できるようになる。










…………なんか文字化けしてるスキルとかツッコミどころはいっぱいあるけど、とりあえずヘスティア様かわいっ………





「あらぁ…?あなたやっぱり巫女さんだったのねぇ。でも平穏の巫女なんて聞いた事ないわぁ………?あと古代精霊種ってもう滅んだはずじゃなかったかしら。

って、聞いてるの?もうっ!」



「はっ!?すみません。うちの女神様が可愛すぎて……」



「意外と変わった子なのねぇ。まあ、色々聞きたいことはあるけど、さっさと冒険者登録をしちゃいましょうか。」



そうおネエ様が言うと石版が一瞬強く輝き、1枚のカードが机の上に現れた。



「はい、これがあなたの冒険者カードよ。今はブロンズカードだけど依頼をこなすことで階級があがっていくわ。1番上の白金プラチナ目指して頑張ってちょうだい。」



「ありがとうございます。」



「このカードでは簡易ステータスを表示することができるわぁ。でも、スキルや称号の簡単な効果しかわからないからちゃんと知りたい時は鑑定士に見てもらうのよぉ!」



ふむ。これは意外と重要なことかも、簡単な表示だけじゃわからないことも多そうだし腕のいい鑑定士さんもそのうち見つけなきゃな。



「わかりました。うまく活用して頑張ります。」



「さぁて、面倒な事務手続きは終わったしお楽しみの戦闘指南よぉ。あなたの素性も正体もぜぇんぶ丸裸にしてあげるわ♡すぐに許可取ってくるから待っててねぇ。」



そういうや否や、おネエ様は音速の速さでカウンター裏に消えていった。


うん、、、私はドスの効いた声で脅しているおネエ様の声なんて聞こえてない。わぁ戦闘指南楽しみだナー(死んだ目)




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ゆらの生態1

たまに河原に行って石を積んで帰ってくる。最高記録は37。

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