第22話 職業選択

 あの日からなんだかんだで四年が経過した。


 なんと言うかね、辛かった。あまりの辛さに『休みが無エ、娯楽も無エ、天界狭ェからなんにも無エ、オラこんな生活嫌だぁ』って内心で何度も叫んだぐらいだよ。


 異世界に憧れるそこの君。現実はそんなに甘く無エからな!!


 でもどんなに辛くても四年も経てば、あっという間に感じる。不思議なものだ。


 この四年の間に、サリエルさんからは剣や適性のある魔術の使い方を教わり、いつもの終わりの見えない回避の特訓で【察知,耐性スキル】を大量に習得した。とは言っても、こう言うスキルは中々上がりにくく、まだ低レベルなんだけどね。


 とまぁ、そういうことで、ついに僕の成長を見せる時が来たようだな…。


 フフフ、これが僕の四年間の成果だぁぁッ!!!


 ステータスオープン。



【名称】ヘレン

【年齢】4歳

【種族】天使族(サリエル派)

【職業】なし

【状態】平常

【ステータス】レベル1/99

HP:563 MP:534 神力:3 生命力:424 腕力:442 俊敏:524 知力:420 器用:439 体力:487 魔力:466

【スキル】

剣術:7 回復魔術:4 風魔術:5 光魔術:6 時空魔術:3

鑑定偽装:2 王宮作法:5 思考加速:4 並列思考:3 演算:6 魔力隠蔽:4 鑑定:3 家事:3 掃除:5 気配遮断:3 魔力操作:3 威圧:1 高速移動:2 隠密:6 詠唱速度:4 命中精度:4

言語識字 集中 消音 堅忍

【察知スキル】

気配察知:7 魔力察知:6

【耐性無効】

炎耐性:4 風耐性:2 氷耐性:2 水耐性:3 土耐性:1 光耐性:5 闇耐性:1 物理攻撃耐性:4 痛覚鈍化:6 状態異常耐性:5 恐怖耐性:6 混乱耐性:5

【職業スキル】なし

【ユニークスキル】真眼

【固有スキル】座標移動

【称号】転生者 神剣の所有者 始原の弟子 亜神 不撓不屈 見習いメイド 敗北を乗り越えし者



 うん、我ながらかなり成長したと思う。ステータスレベルは、まだ実戦を経験してないから1のままだけど、数字は全体的にそこそこ上がっている。


 そして、肝心のスキルはというと、とりあえず戦闘において、重要なものを中心に習得したというところかな。まぁ、結構偏った修行だったから多様性な無いけど、それは長い天使生の中で習得していけば良いと言われている。


 そして、最後に《見習いメイド》とあるが、これはまぁ、お察しの通り、四年間ひたすら指導されまくってレベル5まで上げた訳だが、まだ未熟な僕に与えられたものだろう。


 あ…あとちょっとだけ、休魂地ヴァルハラでもお手伝いみたいな感じで入ったんだけど、あれはあれで大変だった。なにせ環境や魂の管理とか量が膨大過ぎて見てるだけで目眩がしそうになった。


 本当、あそこで平然と管理する人たちはマジもんで尊敬に値するわー。


 おっと思考が逸れてしまった。とまぁ、そう言うことで変わりない日々を過ごして来た訳だけど、今日はいつもとは違う。


 何故なら今日は職業を選択する日だからだ。かと言って今日が特別な日ということではない。ただ単にサリエルさんが「そろそろ職業選んでみる?」と提案されたからだ。


 変わらない日々に飽き飽きしていた僕はその提案に一も二もなく了承したのだった。



 ◇◇◇



 そして、やって来たのは思い出深き神殿。ここから僕の天使生が始まったんだよなー。


 だけど今回はあの部屋とはまた別で、目的の場所は地下にあるようなので階段を下りる。


 しばらく薄暗い廊下を歩いていると右手に、なにやら怪しい雰囲気を漂わせる厨二病患者が好みそうなちょっと古びた扉が見えてくる。まだ行き止まりではないが、目的の場所はこの扉の奥にあるそうだ。


「うわッ!!しばらく使ってなかったから埃が…。後で掃除頼んでおきましょうか。」


 そう小声で呟きながら扉を開けて中に入る。


 内装は神聖な雰囲気漂う儀式場…などではなく、怪しい占い師の部屋と言えばイメージし易いだろうか?


 部屋は薄暗く、一番奥には透明度の高い巨大な水晶が鎮座しており、中央奥寄りの台座にこれまた透明度の高いサッカーボールサイズの水晶玉がある。それだけでも十分雰囲気は出てるのに、壁掛けや絨毯が黒や赤、紫色を使用したデザインで怪しさ満載だ。


「早速だけどここに手を当てて魔力を流してみて。そしたら今の段階のヘレンちゃんの適性職業の名前が浮かび上がってくるはずだから。」

『…う、うん。』


 僕は若干戸惑いの表情を出してしまう。


 普通こういうのってさ、某有名RPGのように神官さんがいてね、希望する職業への転職を祈るだけで「はい、終わり」って思ってたのだが現実は違った。


 なんだろう…この裏切られた感は。


 などと内心では文句を言いつつも、ちゃんと指示通り、水晶玉に手を当てて魔力を流す。すると水晶が発光し、何やら文字が浮かび上がってきた。


 水晶にはそれぞれ、"宮廷メイド"、"光術師"、"風術師"、"回復術師"、"忍剣士"、"魔剣士"、"暗殺士"、"瞬刃士"、"時空魔術師"の九種の名前が表示される。しかも名前からして《スキル》の影響を色濃く反映されてるように思う。


 選ぶとしたらどれが良いんだろう?こんなにあると悩むなー。


『この中でサリエルさんのオススメとかありますか?ボクじゃあ、選べないので。』


 ここは年長者の意見を聞いてみる。


「んーこの中なら私は"魔剣士"を選ぶかな。ステータスのバランスも良いし、魔術と剣と両立できるからね。」


 な、なんと!!そんな天職があるのか!?今の僕にピッタリじゃん。


『なるほど。じゃあ"魔剣士"にします。あ、それと転職とかも出来るんですか?』

「上位職への転職は可能だけど、同位職への転職は出来ないわ。もし、"魔剣士"を選ぶなら、ここに表示されているような職は全て転職不可になるわ。それでも良い?」

『……はい、それで構いません。』


 一瞬迷ったが結局答えを変えずに了承する。


「了解、それじゃあ"魔剣士"をタッチして。」

『はい。』


 指示通り、水晶玉に表示された"魔剣士"を少し躊躇いながらタッチする。これを押したら上位職が選択出来るようになるまでは転職不可能だからどうしても迷いが生じてしまう。


 押した直後、何やら力が漲溢するような感覚を味わう。


 もしかして!?と思い開くと【職業】に"魔剣士"が、そして【職業スキル】の枠に《魔剣技》が追加されていた。それとステータスの数値も幾つか上昇していた。



 ◆◆◆


・今回から主人公が喋ります。流石に4年も経ってるのに喋れないのはおかしいからねw


・主人公が喋る時の1人称は「ボク」、それ以外は「僕」の認識でお願いします。(「喋りは子供、中身は中学生」あれ?某有名メガネを掛けた死神さんに似てるのでは?←と書いていて気付きましたw)


・「○○無エ、△△無エ、□□無エから何にも無エ」は歌『俺ら東京さ行くだ』からネタとして引用しました。



※こちらが最終的なステータスはこちらになります。


【名称】ヘレン

【年齢】4歳

【種族】天使族(サリエル派)

【職業】魔剣士

【状態】平常

【ステータス】レベル1/99

HP:570 MP:547 神力:3 生命力:426 腕力:454 俊敏:529 知力:428 器用:449 体力:493 魔力:478

【スキル】

剣術:7 回復魔術:4 風魔術:5 光魔術:6 時空魔術:3

鑑定偽装:2 王宮作法:5 思考加速:4 並列思考:3 演算:6 魔力隠蔽:4 鑑定:3 家事:3 掃除:5 気配遮断:3 魔力操作:3 威圧:1 高速移動:2 隠密:6 詠唱速度:4 命中精度:4

言語識字 集中 消音 堅忍

【察知スキル】

気配察知:7 魔力察知:6

【耐性無効】

炎耐性:4 風耐性:2 氷耐性:2 水耐性:3 土耐性:1 光耐性:5 闇耐性:1 物理攻撃耐性:4 痛覚鈍化:6 状態異常耐性:5 恐怖耐性:6 混乱耐性:5

【職業スキル】魔剣技

【ユニークスキル】真眼

【固有スキル】座標移動

【称号】転生者 神剣の所有者 始原の弟子 亜神 不撓不屈 見習いメイド 敗北を乗り越えし者

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