第11話 武器選び
現在、僕は頑丈そうな結界が張られている広場の中央にて、サリエルさんと正対している。そして結界外には姉二人がガーデンチェアに座って観ている。
「何故、姉二人と一緒に受けているのか?」という疑問を持つ方も現れそうなので説明するとしよう!!それはサリエルさんの手紙を母に渡した直後のこと…。
両親が手紙の内容に驚き、落としたのを姉二人が拾い上げて黙々と読む。
順調に黙読し、主文に目を向ける。そこには「———ヘレンは特殊個体であり、そこ目をつけた女神様が『[監視者]として下界で活動させたい』とおっしゃっております。また私が直々にヘレンに修行をつけるように神命が下されています。———」と書かれている。
ここまで読んで姉二人、特にリディアが不満を漏らすが最後の一文で一気に上機嫌になる。
その一文は「P・S リディアとレイラーが希望するならヘレンと一緒に修行をつけます。」と書かれていた。そう"ヘレンと一緒に"の部分が原因だった。
そんな姉二人に迷いなどは無く、即断即決で僕と修行をすることを希望したのだった。両親は少し悩んだが特に異論を挟むことは無く姉二人の参加が決まったのだった。
そして現在に至るという訳だ。
「それじゃあ、まずはヘレンちゃんの武器を決めないとね。」
するとサリエルさんが突然現れた虚空に右手を伸ばし、様々な武器が乱雑に入れられた上開きの木箱を取り出す。入ってる一つ一つが何の特徴の無い鉄製の武器だ。
「はい、これ全部試して自分に合いそうなやつを探してね。」
全部って…マジですかー。てっきり最初は簡単に《体術》でもやるのかと思ってたけど、いきなり武器選択ですか…。それに選択する武器の数多すぎでしょ…。
"剣"や"槍"、"鞭"、"鎌"、"斧"、"鎚"などと言ったお馴染みのものがある一方で、"扇"や"ブーメラン"、ましてや"糸"などといった「本当に武器なのか?」と考案者に聞きたくなるようなもの。そして、どのように使うのか全くわからない完全初見のものまであった。
多分全部で四十種類以上はあると思う。それを一つ一つ試してどれが適しているのかの確認をするそうだ。
まぁ、止まっててもしょうがないので、僕は適当に持ち使用・厳選していく。
◇◇◇
や、やっと終わった…。ちょー疲れた。武器の一つ一つはそこまで重くはなかったが、四十回以上も使用したのだ。流石に明日は筋肉痛は確定だろうな…。
結果、一番使い易かったのはやはり"剣"だった。やはりというのは、前世の僕はプライベートで密かに木刀を購入し、自室で振り回していたことで他の武器に比べ、多少は使い易かった。まぁ、微々たる差だけど。
剣が一番使い易いことを報告するとサリエルさんが呟く。
「じゃあ、丁度良いし…。」
するとサリエルさんがまた右手を伸ばし、虚空から一本の水色に発光する神秘的な剣を取り出す。
「これあげるからちょっと使ってみて。」
そう言って剣を渡してくる。
『うわっ!?』
ドーン!!
重い物質が地面に激突する音が周囲に響く。
あまりの重さに思わず落としてしまった。見た目は片手でギリギリ扱えるサイズだったから侮ってた。
「装備者登録は解除してたんけどダメだったかー。」
そう呟くサリエルさんに剣のことが気になったのか結界外からレイラーが問う。
「サリエル様、その剣は何ですか?」
「これはまだ争いが絶えなかった頃に女神様から授かった三大神剣の一振り
だが僕の泰然自若な反応に対して姉二人は驚きのあまり固まってしまう。
「「!?」」
◆◆◆
・手紙の所をどう書くかでめっちゃ悩んだ(まる)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます