第32話 今日こそアレが見つかるかなと思ったら昼間に大事件です。

「ワイバーンはうちでも降ろせたのにな、何で反対側に持って行ったんだよ、商人が荷馬車を貸して来れたのにさ」

机の上で指を机に打ち付けるギルマスさん。


「一応討伐報酬が出るかと思いましてね」


「薬草しか持って来ないし、あんな貴重な薬草はこちらじゃ鑑定も出ないから薬剤師共に持っていかれるし儲からん、ああお前には代金はキッチリ払うから安心しろ、薬剤師共もキチンと払わせるからな」

今度は天井を見上げているギルマスさん。


「えーとそろそろ数え終わりましたかね、代金を貰って冒険者ギルドに行かないといけないので、早く仮を取りたいんでね」


「家はどおなったんだよ、報告が無いぞ!」

今度は俺に口を尖らせて言ってくるギルマスさん。


「今の所は何も有りませんよ、今日も夜監視しますけど。

そう言えばあそこで商売をやっても良いですかね」


「別に登録して来れ、店の大きさだがあそこは10年間無税だから売り上げがあっても納税義務は無い、店の登録料金貨10枚だ、支払いから引いておく。それとあのワイバーンどこまで売るんだ?」


「どこまでと言われてもね、わかりません」


「魔石は取っておけ、討伐証明だ、肉は割と美味いがな、後皮が防具になる

血と骨は薬剤師どもが買い上げてくれる、内臓も薬剤師どもが持って行くだろーよ、アイツらも今日は眠れんな早く処理しないといけないからな。それと小竜でもドラゴンバスターだ、領主から呼ばれて称号をもらうからよろしくな! あっちに行っても同じ事を言われると思うがな」


「持って来て貰った商人さんのお礼は部材の優先権だけで良いんですか?」


「あゝあれで良かったよ、アイツも安く仕入れられて喜んでいるだろー。しかしお前さんも太っ腹だな! 定価の半額で売ってやるなんてさ、アイツ全財産出して皮を持っていくぞ。

ただ片翼の分ぐらいしか払えないだろーがな、今度から運搬は門番に連絡して何処かのギルドに助けてもらえ、その方が安上がりだ」


コンコンドアが開く「計算おわりました」


「昨日売った屋敷で商売するそうだ、登録料金貨10枚引いてコイツのカードに金を入れておけ」


「治療師ギルドの分はどうしますか」


「お前さんどうする、ウチで回収するか、治療師ギルドに行くかどっちにする?」


「ギルマスお願いします」


「手数料は今度大型の討伐したら俺の方に持ってきてくれよ、それでチャラだ!」


そして下のカウンターでカードを出して入金してもらう。


さて風香を迎えに反対側に行くか、俺は商業ギルドを出て冒険者ギルドに入って行く。


「ああお兄さん、お姉さんはギルマスの部屋にいます、どうぞこちらに」


受付嬢の後を着いて行く、トントンドアが開く。


中には風香とおっさんとお姉さんがいる。


「やっと来たか、商業ギルドで話はどこまで聞いた?」


「片翼が安くなるのと、魔石は討伐証明で持ってろと、小竜でもドラゴンバスターだて、それとエライ人に呼ばれるかな」


「大体合っている、まず仮を外してDランクな彼女はCランクにあげる。それと売却は、魔石を残すのか、肉や皮はどうする」


「売ります、何なら下の食堂で今日だけみなさんで食べても良いですよ」


「馬鹿全部食われちまう、内臓と血と目と牙と骨と皮しか残らんぞ」


「じゃあそれでお願いします、一応俺達はこの街に住むので顔見せですね」


「分かった、他のギルドと相談して売る、後でカードと魔石と明細を一緒に渡す。まあ肉は半分は販売しないとまずいから、早い者勝ちで行こう、お前達も食べてから家に帰れよ」


「ギルマス後領主様の事を言わないと、怒られますよ、初めましてここのサブマスよ、よろしくねドラゴンバスターさん」


「いや風香がほとんど倒したんだが、俺は首を切っただけだけど」


「お前な、最後に首を落としたのはお前だろー、そうするとお前がドラゴンバスターになるんだよ、最後の一撃が決め手になるんだよ」


「風香ごめん、最後までやらせなくて」


「旦那様、私に最後の首を落とす技は有りません、お気になさらず」


「それと領主がもう話を聞いてな、称号の授与と食事会をするてよ、日にちは後で言いに行く、泊まっている宿はどこだ?」


「商業ギルドで紹介された、元騎士たちの駐屯所です」


途端に2人が立ち上がる。


「おいおい商業ギルドのマスターは説明しなかったのか!」


「アレが出るのよすぐ返して来なさい、明日後悔するわよ金貨1枚損したって、何なら私が付いて行って上げるわよ」


「昨日一晩過ごしましたが、何も無いですよ、今日は2日目の探索ですね」


「お前はドラゴンバスターとゴーストバスターの称号も貰うつもりかよ」


冒険者ギルドのギルマスの声が部屋に木霊する。

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