第17話 隣の国ウギル王国に入る。

朝起きるとやっぱり風香は居ない何故?


「おはよう御座います、旦那様朝ですよ。それと家が無いから化粧出来ませんスッピンで御免なさい」


「おはよう風香、スッピンも可愛いよ。初めて会った小憎らしい風香だね」


「朝から電撃要ります、まだ目が覚めてないみたいだし」


「待った、今度から化粧品少し出して旅をしよう」


「まあ着替えなさいね、朝食を食べましょう」


着替えて下に行く。対応してくれたのは別の獣人さんだ!今度はキツネ顔。


「お客さん好きなところに座って、今持って来るから」


俺達は空いているテーブルに座って待っていると、パンとスープが運ばれて来る。


「はい朝の食事、パンとスープです」


昨日の夜はこれに肉を焼いたものが付いていた、朝はこれだけみたいだ。


「風香食べよう」「はい」


食べる作法はパンが硬いので、スープに少し浸すのが食べ方みたいだ。


「昨日も食べましたが、やはりパンが硬いですね、もう家が恋しいです」


「そお言うなよ、異世界冒険を始めてしてるんだからさ」


「大体お風呂も無いし、昨日の匂いが旦那様の方からしますよ」


「待て待て風香、食堂でそんな事を言うなよ、キツネ顔の獣人さんがこちらを見てるだろー」


風香はキツネ顔の獣人さんと目が合い顔を赤くして俯いた。


「これも旦那様が全て悪いんです、今日は辞めようと言ったのに襲って来たんだから」


「風香ストップ、周りが聞き耳立てているよ」


その後は無言で食べて部屋に戻った。


「もう恥ずかしい、早く宿を出ましょうそれと今日はどうしますか?」


「歩いて川を渡って隣の国に行ってみよう、何か発見があるかもしれないからな」


「もうこの国とお別れですか、始めての異世界に降り立った国なんですよね」


「国の名前も分からずもう出国ですね」


俺達は部屋を出てカウンターで鍵を返して村を出る。


川まで行くと今日は渡りやすい様にロープが対岸まで何本か貼ってあった。

その前まで行くと門の所に居た兵士がいる。


「おはよう、悪いが通行料銅貨3枚だ、2人で6枚お願いする」


「昨日は無かったはずですが、どうして払う様になりました?」


「元々合った橋の通行料は銅貨3枚だ、橋の復旧の予算を出す為に微収してるんだよ、一応ロープの代金だと思って払ってくれ」


俺達は銅貨6枚を払って川を通して貰う。まあ早いとこ直してもらおう。


そしてロープを伝い隣国の対岸に着くやはり少し先に村がある。

この村にはこちら側にも門番がいる。


「朝早くいらっしゃい、この石版に手を置いてくれ」


俺達は順番に手を石版に置く。


「はい通っていいぞ、ようこそウギル王国に良い旅を」


2人とも難なく通過して村に入る、対岸の村と変わり映えしない作りになっている。


「これって、兄妹村ですか作りが同じですね」


「きっとお互いに競争して共倒れにならない様に作ってあるんだろー。こんな所で競争しても仕方ないと両方の村で意見をすり合わせているんだろー」


そして俺達は広場でパンを買い村を出て道を歩き出した。


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