第33話 ここにきて俺の異常性が際立った
うーん、見事に魔物が吹き飛んで、若しくは燃え盛っている。
そして気になるのはこの部屋だ。
何が気になるって、俺のライトだ。
ライトってのは、術者の周囲を照らしてくれる、ダンジョンではもはや必須な魔法だ。
今までであれば、それなりに広いダンジョンとは言え、ちょっとした空間だと普通の冒険者であればライトで問題ないが、今いる場所は全く違う。
兎に角広すぎて、普通のライトでは絶対に照らしきれないはずなんだ。
それが今はどうだと言えば、もうね、多分部屋一杯が明るいんだよ。
それも光源を直視できないとかそんなのではなく、満遍なく明るいのだ。
それの何処に問題が?と思うだろうがこんなに広範囲に照らすとなると、相当魔力を消費するはずなんだ。
それもライトではなく、もっと上位の魔法、名前は知らん。
これではまるで人口太陽だ。
まあ、今はどうでもいいのだがふと気になったうえに、昨日まで一緒に居た冒険者達は誰も指摘をしなかった。
だから当たり前と思ってしまったが、絶対違う。
俺はつい考え込んでしまったが、
「生き残りがいる!」
桜が教えてくれた。油断大敵、ここはダンジョンの最深部だ。
ダンジョンで俺が放った魔法を耐えきった魔物は今まで居なかった。
油断しないよう気を付けよう。
《どうされますか?様子を見るか追撃の魔法を放つか、若しくは何か別の対策を?》
「そうだなあ、今の所土属性は使っていないから、グランドでも放つか?」
俺の知る限り、グランドは所謂土魔法。
ほんの少し地面を隆起させたり窪ませたりできる。
魔物に追われている時逃げるのに役立つ。
● 第3話参照 ●
だから今回何気に使ったグランドが想定外の結果をもたらした。
・・・・何これ。
一言で言い表せばこうなる。
俺の前方10メートルぐらいの所にバカでかい壁が出現したからだ。
どうすんだよこれ。
因みに俺氏、まだ部屋の中に入ったばかりである。
《どの程度の壁なのか触ってみますか?》
椿もその結果がどうなるか、想像できなかったのだろう。
俺も想像できなかった。
何せ俺が少し壁に触れた途端、生き残った魔物目掛けて倒れたからだ。
ズド―――――――――――――ン!!!!!!!!!!
地面が揺れた。
結果的に生き残った魔物も今の壁に潰れてしまったようだ。
因みに壁は倒れて直ぐに消えた。
「耳が、耳がああ!!!!」
すまん桜。
今の音は凄すぎた。
しかし、しかしだよ?
ここはダンジョン最深部。
こんな簡単に攻略できていいのだろうか。
しかし俺はそこまで考えて、考えるのを放棄したというか、別の事に意識が行ってしまった。
生き残っていたと思われる魔物がいた場所付近に宝箱が出現していたからだ。
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