第34話 万が一を考えて
宝箱や、宝箱。
実際多いな、宝箱。
全て同じに見える宝箱がそこかしこに存在しているカオス。
これ、全部開けていいのだろうか、と言うか開けられる?
もしかしてこの中から一つだけしか開けられないとかそんなのやだなあ。
「こういう時どうすればいいのだろうか。」
思わず独り言ちてしまった。
まあ桜がいるし、脳内には椿がいるから独り言ちた、と言うのは正しくないのだが、実際話しかけるつもりで言葉が出た訳じゃない。
《ここはダンジョンの最深層ですから全て頂いても問題ないかと思われますし、今更そんな意地悪はないでしょう。》
それならいいが。
昔インディージョーンズで聖杯を選ぶシーンがあったが、沢山の中から正しい一つを選ぶ必要があった記憶がある・・・・そんなの同じ宝箱じゃ無理ゲー。
「早く開けたら?」
おっと、桜から催促があった。
中身は決まっているのか、それとも俺が今までダンジョンの宝箱を開けたように、今求めている物が出てくるのだろうか。
今必要なのは、俺の魔法が今後も使えるかどうか怪しいので、俺の脂肪でない何かをエネルギー源として魔法を使えるようなアイテムが欲しいな。
通常の魔力を消費して放つ魔法とか。
普通に使っていたから最近は気にしていなかったが、本来このダンジョンは魔法を使える状態で入ろうものなら体中に激痛が発生し、今までは不可能と思われていた。
尤も噂レベルだがダンジョンの最奥で得たアイテムに、ダンジョン内で普通に魔法が使えるようになるアイテムがあったとかなかったとか。
できればエネルギーは魔石がいいな。
何せダンジョン内では魔物を仕留めると、ほぼ間違いなく手に入れられる。
よしそうしよう。
俺はまず一つ目の宝箱を開けてみた。
罠はなかったが、ここにきて罠があったら嫌味以外の何物でもない。
で・・・・どうやら装飾品のようだ。
輪っか・・・・サイズ的にはブレスレットだ。
手首にでも装着するのか?
おっと忘れていたが、眼鏡を掛けておけば鑑定できるんだった。
早速鑑定してみよう。
【魔力変換ブレスレット・魔石をはめ込めば装着者が魔法を行使できる魔力に変換できる】
なんか求めていたのと微妙に違う気もするが、半分は合っている気がするからまあ良しとしよう。
まだあるし、次は本当に魔法を放てる杖とかにしておこう。
【魔導士の杖・ダンジョン内で魔法を使用できる】
おお!あったあった。
これで万が一の時は何とかなるな。
さっきゲットしたアイテムを使えば魔法を打ち放題!
《マスター嬉しそうですね。》
そりゃそうだろう、椿。
あと鎧・・・・は動きに制限が出そうだからどうするか。
贅沢を言えば普通の服に超絶すんごい防御力があるのがいいのだが、得られるだろうか?
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