第6話 ここは何処だ
周囲を確認しないまま進んでしまった結果、現在地が分からなくなった。
つまり引き返そうにも来た道のりが分からなくなったのだ。
ダンジョン内の十字路。
俺は現在地が分からないままに多様な十字路を進んでいった。
それを4つ程進んだ頃、全く違う場所に出た。
それを見た時、遂に俺の便意は限界に達していた。
大の方だ。
多分小も限界だろうが、こういう時は大の方に意識が向く。
で、もう駄目だと思った所、丁度良さげな隅っこを発見。
急いでしてしまった・・・・所謂野グソだな。
いや、ダンクソか?
俺には強い味方ウォッシュがある。
すっきりした後にウォッシュで綺麗にした。
因みにパンツの中でしてしまっても、汚れは取れるが糞はそのまま残る。
つまりまたすぐに糞まみれになる。
一体俺は何を語っているのだろう。
前世の記憶でも、野グソは一度もなかったな。
大抵公衆便所や店の便所がどこかしこにあるからな。
流石は日本。
通路の左右にドアが沢山ある場所へやってきた。
100メートルはあると思われるが、多分5メートルから10メートル間隔でドアが見える。
開けたらどうなるんだろう。
頭の中で警笛が鳴るがこのままではどうしようもない。
自分の直感を信じて、少し進んでから開けてみた。
直ぐに閉めた。
開けて少し中を見ると、少し奥に魔物が沢山いるのが見えたからだ。
仕方がない、通路を挟んだ反対側を開けるか。
開けて直ぐに閉めた。
別の魔物が大量にいた。
これを何度か繰り返したが、どうやらドアの向こうには魔物が大量にいるようだ。
何処か当たりはないのだろうか。
そんな事を思いながらまた別のドアを開けたが、この時足がもつれて部屋の中へ倒れるように入ってしまった。
直後にドアが閉まる・・・・開かない!
魔物と目が合った・・・・様な気がした。
そして魔物は俺に気が付いたのか、複数の魔物が俺を見る。
俺氏大ピンチ!
こういう時はあれだ、深呼吸だ、落ち着け俺氏!
だが魔物は待ったなしだ。たぶんオーク。
3メートル近い巨体なんだが。
俺、何度か魔法使っているからもう使えないよな。
俺はこういう時は馬鹿の一つ覚えでウィンドを使う。
今回も右手を薙ぎ払うイメージを思い描きつつ、ウィンドを発動させた。
するとどうだろう。
さっきよりは若干そよ風というよりは・・・・漢字で書くと微風、つまりびふうと読む。
え?さっきも同じ事言っているって?すまん!
で、今回は少しだけ威力を増して弱風という感じでオーク共に届いた。
そして先程のゴブリン同様、巨体にもかかわらず部屋に居たオークは全て吹き飛んだ。
壁に当たりそのままドロップアイテムに変わっていく。
そして俺の体内では何かがドク!ドクッ!と脈打つような感覚があった。
ひょっとしてレベルアップか?
ゴブリンの時は少し体があったかくなった気が・・・・そうじゃない、急に便意を催した。
あれもレベルアップ時の症状なのか?魔物を倒してレベルアップって今まで無かったから新鮮な感覚だ。
しかしこれは困った。レベルアップ時に便意を催すとかありえんぞ!
前世の知識でも、そんな小説やゲームはやった事も読んだ事もない!
俺氏外れの世界に転生した件。(●>ω<●)―――――!
そうだ、魔石だ!地上の魔物とは違い、ダンジョン産の魔物は仕留めるとこうして死体は消え、ドロップアイテムを残す。
主に魔石。
そして魔物によっては魔石以外にも何かを残す。
大抵種類は固定されている。
『うわ!ダンジョンの魔物って魔法耐性ないんじゃね?』
俺氏、ドキドキしながらも嬉々として魔石を回収する。
時々金色の玉を見かけるが、これも一緒に回収。
そして部屋の奥には宝箱が鎮座していた。
前世の記憶だと・・・・ゲームなんかではベタな展開だなあ。
罠はあったりなかったり。
後に金色の玉が何だったかを知り、発狂寸前になった事は・・・・察してほしい。
え?分からんって?
オークと言えば繁殖能力の高さから特に女性が危険視する存在だ。
どんな異種であろうと、繁殖方法が異なろうと高確率でオークが相手を犯せば、相手はオークの子を身籠る。
しかしオークのドロップアイテム、オークの睾丸は薬師が上手く加工すれば妊娠薬として高額で取引される・・・・主に貴族や富裕層・・・・貴重品だったりする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます