第33話 リトルカブのオイル交換に行った話

 仕事からの帰り道、いよいよリトルカブのオイル交換をしようと思い立った。


 昨年の7月頃に生前の父がオイル交換をして以来のことなのだが、なんせそれほど頻繁に乗らないバイクであるため、一般的なオイル交換の目安となる走行距離までなかなか到達しなかった。


 とはいえ、さすがに一年ほどの間オイル交換をしないというのもためらわれたため、次の七月頃にはオイル交換をしておこうと思ったのだ。


 だが、さすがに夕方いきなりお店へ行って「オイル交換をして欲しい」とお願いしても、他のバイクの整備などで忙しいだろうから、ひとまずオイル交換の予約だけをしておこうと思って、通勤用の軽自動車(これも父から相続したものだ)からリトルカブに乗り換え、いざバイク屋へ。


「すみません、このバイクのオイル交換をお願いしたいのですが……今日いきなりという訳にもいかないでしょうから、事前予約を」


「オイル交換ぐらいでしたら、今からすぐに見させてもらいますよ。どうされますか?」


 若干予想外の展開だった(いや、ひょっとしたらワンチャンその場で対応して貰えるかもとは思っていた)が、すぐに交換してもらえるのであればありがたいと思い、そのまま作業をお願いした。


 作業終了までの間、店内で待たせてもらったのだが、お店の看板犬(小さなオスのトイプードル)と少し戯れている間に、約二十分ほどでオイル交換は終了。


「タイヤの空気圧が半分ぐらいにまで減っていました。どうしても空気が自然に抜けていってしまうため、出来れば二週間に一回ぐらいは空気圧をチェックしてあげてください」


 こちらは予想外の話だったが、オイル交換費用として約二千円を支払って帰路へ。


 いざバイクを乗り出してみると、オイル交換のおかげでエンジン音が若干静かになっていたほか、タイヤの空気圧を適正値にしてもらったおかげで、確かに乗り心地も若干良くなっている。ありがてぇ、ありがてぇ。


 これでリトルカブにまつわる当面の課題はひとまず解決したわけだが、これからどれぐらいの頻度で乗ってやることが出来るだろうか――一週間に一回、オイルをエンジンに回してやるために乗ってきたものだが、何とかこのペースは維持していきたいものだ。

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リトルカブと僕 和辻義一 @super_zero

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