第26話 何となく感じる不公平感
街中を走っていて、良く見かける「カブ」はスーパーカブなのだが、その次ぐらいにクロスカブを良く見かける。通販CMなどでよくある「あくまでも個人的な感想です」というやつだが。
同じカブなのだが、原付2種のクロスカブ(排気量110cc)については、個人的には「確かにカブなんだけど、全く別のカブ」という思いが強い。
これまた個人的な思い込みでしかないのだが、カブと言えば排気量50ccが基準だと思うのだが、より大きな排気量のカブであれば、そりゃ日本一周なんてこともより楽にこなせるだろう。そもそも出せるスピードが全然違う。
そしてきっと、行動半径も倍ぐらいは違ってくるのではないかとも思ってみたり。やはりどう頑張っても時速60キロメートルまでがせいぜいのバイクと、頑張れば時速90キロメートルぐらいまでは出せる(もっとも、原付2種の法定速度は時速60キロメートルまでだが)バイクとでは、乗っていた時の疲労感も違うはず。
また、クロスカブ110は見た目からしてオシャレで格好良い。見た目が格好良いという意味ではCT125ハンターカブなども良いと思うのだが、「いかにも業務用カブ(の延長)」みたいなデザインの他のカブ達と比べると、随分と印象が違って見える。色々とずるい、同じカブなのに不公平感(または劣等感)を感じてしまう。
というわけで、父から受け継いだのがクロスカブ110だったらと思うことは、実はちょくちょくある。クロスカブ110とすれ違う度に「くやしいのう、くやしいのう」とか思ってしまったり。要はうらやましいのだ。グギギギギ。
でも、かと言ってもしも新車でバイクを買えるとなると、おそらく排気量が250ccか400ccのバイクを選ぶんだろうな……何の気兼ねもなく自由に使えるお金が100万円ぐらい欲しい。
とはいえ、父の形見のリトルカブなのだ。大事にしたいという気持ちは当然ある。
おれにはこれしかないんだ! だから、これがいちばんいいんだ!!
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