前のエピソード――第24話　リトルカブの行動半径

　ちょっとした気晴らしで、バイク用品店に行ってみた。主な目的は新しいヘルメットと冬用グローブの物色だったが、併せて中古バイクも見てみた。

　結果、ヘルメットは相変わらず踏ん切りが付かず、冬用グローブは「もうこれ普通の冬用手袋でも良くね？」となり、中古バイクは「よほど思い入れのある絶版バイクが欲しいとかでも無い限り、程度と値段を考えると、いっそもう少し頑張って新車を買った方がお得なのでは？」となった。

　いやホント、中古バイクの値段ってめちゃくちゃ高くない？　ＣＢ４００ＳＵＰＥＲＦＯＵＲとか、プレミア価格で新車価格の１．５倍ぐらいの値段がついてるし。

　現行モデルが存在するバイクだと新車を買った方がお得っぽいし、絶版モデルについても「このバイクじゃなきゃ嫌」とかってのが無ければ、現行モデルの中から似たようなバイクを探して新車で買ってもいいんじゃなかろうか。

　ちなみに、様々なバイクを店頭で見せてもらったが、感想としては「自分だったら４００ｃｃぐらいがちょうど良さそう」だった。２５０ｃｃでも魅力的なバイクはいくつもあったが、バイクのメンテナンスが気になるのであれば、最初から「車検あり」のバイクを選んでも良いかもなぁ、と。

　カワサキのＺ４００とか、ヤマハのＭＴ－０３とか。あと、もしも新車が定価で買えるなら、ＣＢ４００ＳＵＰＥＲＢＯＬＤ’ＯＲが欲しいかも。

　で、ヘルメットとグローブである。自らをおとしめるような物言いは避けたいところなのだが、どうしても「リトルカブに乗るのに、そんな大層な装備はいらんだろ」となってしまうのだ。同志よ済まぬ。

　いやまあ、ヘルメットは安全装備として一番大事なものだし、グローブだって安全装備の一つではあるのだが、あんまり気合いの入ったものを買ってもリトルカブには合わないような気がするし、かといって「安物買いの銭失い」も避けたいところ。その結果として「本当に必要性が生じた時まで、とりあえず現状維持」となってしまうのである。

　グローブについては、お店で売っていた一番安いもの（２，０００円ぐらい）を買いかけたものの、「これって本当にバイク用？」「これだったらスポーツ用品店の冬用グローブの特価品とかでもいいんじゃね？」となってしまった。事実、若い頃に郵便局で配達のアルバイトをしていた時（＝郵政カブに乗っていた時）には、家のどこかに転がっていた適当な冬用グローブで十分に事が足りていた。

　宝くじに当選でもして、有り余るほどのお金があるとかいうのであれば、こんなことでいちいち悩んだりはしないのだが……そうそう当たるものでもなく、かといって「買わないことには当たらない」のも事実だったり。悩ましいものだ。