第5話
「合従軍総大将は、春信君にお願いしたい」
趙国の大将軍、
まあ、受けるしかないか。
「承知しました。それでは、作戦を伝えます。
「楚国は、どうすっと?」
「南の武関から攻めます。分散して攻めましょう」
「「「「「兵力は、集中した方が良くない?」」」」」
兵法的には、そうだよね。
でもね、それで函谷関は落ちなかったんだよ。
秦国も兵力を集中させているだろうし、手薄な場所から攻め込むことにした。
異論・反論は認めない。総大将にしたのは、君たちだからね。
「函谷関の裏の、
これは史実通りだな。
「燕国は、山の稜線を辿っているので、時間がかかるか」
地図のない道のりだ。伏兵に会わないように進んでいるんだな。糧道の確保もある。
成果を待とう。
「函谷関は攻めているけど、落ちる気配がないと」
まあ、そんな簡単に落ちないよね。
「武関はどうなってるの?」
「もうすぐ、落とせそうですが、道が狭くて大軍は送れません」
うん、そうだよね。でもね、漢の劉邦は、数万の軍勢で攻め込めたのよね。
この時代は、あまり重要視されていないけど、使える道なのよ。
「武関は、引き続きお願いね」
「承知しました」
名もなき楚軍の大将軍は、受けてくれた。
全体を見る、総大将って大変だな~。
兵糧の関係もある。時間は、余りかけられない。
◇
燕軍が、秦国の国都、咸陽に到達した。そのまま襲いかかったと連絡が来た。
武関は落とせている。だけど、進軍が遅くて、もう少し時間が欲しい。
函谷関も落ちる気配がない。
「一応、予定通りかな……」
咸陽に秦軍は、ほとんどいないだろう。
龐煖の連合軍と、楚軍が到着すれば、咸陽は落とせると思う。
ここで、函谷関を守っていた秦軍が動いた。
函谷関を放棄して、龐煖を追いかけ出したんだ。
「そんじゃ、秦軍の背を討とう」
連合軍を前進させる。
函谷関を迂回して、裏から攻めると、数の少ない秦軍は、逃げ出した。難攻不落の函谷関を落とせたんだ。蕞は、撃って出て来ない。
狼煙を上げて、龐煖に合図を送る。
「狭い道で、前後から攻められたら終わりだよね」
数もこちらが多い。
こうして、全軍での衝突が始まった。
三日が過ぎた。
「秦軍は、ヘロヘロだね」
「食料が届きませんからね……」
龐煖さんには、迂回して食料を送った。
燕軍に地図を作って貰ったので、簡単に届いたな。
そうすると、秦軍は、蕞に籠ってしまった。
「それは、悪手だよね。決断が遅すぎてそれしか選択肢がなかったのかな」
武関を進む楚軍が、咸陽についた。
秦王や呂不韋は、逃げたらしい。
旧王都の雍かな? もしくは、蜀漢だな。
俺が咸陽に着くと、略奪が始まっていた。
「とりあえず、勝てた……、かな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます