第4話
秦国は、大将軍を
そこに信陵君の檄に応えて、諸国が集まって来たよ。
「危ない、危ない。遅れるところだった」
「流石、春信君です。先見の明がありますね。五ヵ国連合であれば、勝利は間違いないでしょう」
一緒に来てくれたのは、昌文君だ。
政治を任せていたけど、今回はついて来てくれた。
「ここで勝てれば、魏国にも恩を売れるよね~」
信陵君は、強かった。
兵法が違うよね。『魏公子兵法』だっけ?
秦軍は、撤退した。
その背を追うんだけど……。
「函谷関か~。落とせれば、秦国を滅亡させられるけど、難しいんだよね……」
始皇帝時代までは、不落の関所だった。
信陵君も、ここで軍を解散させてしまった。
最後に挨拶をして、俺も帰路に着く。
「どうすっかな~。武関から攻めよっかな~」
昌文君は、絶句しているよ。
でもそうだな……。まだ、秦国は弱り切っていない。
始皇帝になる人も、即位した頃だろうし、まだ攻め滅ぼすには時期尚早だよね~。
陳に着くと、考烈王に歓迎された。
「常勝無敗の最強宰相、春信君! 君最高!」
「考烈王さま、まだまだ、これからです。秦国は、ここから本気を出して来るでしょう」
――シーン
戦勝に沸いていた周囲は、静かになった。
流石に謙虚過ぎたかな~。
でも戦国時代は、これからなのよね。
今までも熱い時代だったけど、もっと熱い時代が来るのよ。
◇
密偵を放って、各国の情報を集めて行く。
まず、廉頗だな。趙国の元大将軍。王様に嫌われてて、兵権を奪われるんだよね。
楚国で受け入れると手紙を書くけど、返事は来なかった。
まあ、待とう。
それと、同時に魏国だな~。20城を奪われるんだよな~。山陽の戦い?
奪われた土地で、『東郡宣言』されるんだよな~。
秦国は、魏国の土地を奪って、その後に趙国に襲いかかる。
そんで、趙国に負けるんだよね。その後に、韓国を滅ぼすんだ。どんだけ兵士を抱えてんだよ。食料生産苦しいくせに。
「もうすぐ合従軍だ……。函谷関の戦いだな~。俺の最大の見せ場であり、敗北する戦い……」
どうすっかな~。
避けるか、勝ちに行くか……。
歴史を変えられるんだ。負けを避けて、勝ちを拾って行きたい。
数年が過ぎた。
廉頗将軍も食客として、楚国に来てくれた。
遷都も終わっている。今の国都は、寿春だ。そう何度も、遷都するなと言いたいけど、王命だししょうがないよね。
速やかに終わらせた。
そんで、趙国から連絡が来たよ。
『皆、秦国に恨みがあるばい。合従軍せん? 趙王の幽繆王より』
有名な函谷関の戦いの始まりだな。
う~ん。このまま行くと、主攻が楚国になるんだよね……。
「別動隊として、趙の
このまま行くと、負けるな~。
でも、合従軍に加わらないと、韓・魏・趙が攻めて来そうだな~。今、土地の取り合いしてんだし。
更に一年が過ぎた。
ついに、趙国が秦国に出兵した。攻められていた、韓国と魏国は、同調している。
燕国まで出兵したよ。
「楚国は、どうすっとばい?」
考烈王からだった。
「まあ……。私が行きましょう。昌文君、内政をお願いね」
「OKっす。任せてください」
結局俺は、合従軍に参加することにした。
国境の兵を使って、函谷関に攻め寄せる。近いと楽だね。
それと、一手打っておいた。
史記では動かなかった、斉国も動いてくれたのだ。
これは、俺の功績と言っていい。
趙国では動かせなかった国が、俺の呼びかけで出兵してくれた。
史記では、五ヵ国連合だったけど、これで六ヵ国連合になった。
「出だしは、好調かな?」
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