第3話
信陵君が、秦軍を破ってくれた。
楚軍は、指揮に従っただけだけど、信陵君はマジに強いな。
「敗残兵を追ってね~。各個撃破よ~」
「「「はっ!」」」
楚国の兵は、散って行ってくれた。残党狩りは、美味しいよね。
「「春信君! 良く来てくれた!!」」
俺と、平原君と信陵君の三人で手を合わせる。
『四君』の集う、歴史的な勝利だよね。
その後帰国すると、歓声を受けた。本当の勝者は、信陵君と趙国だけど、黙っていよう。
俺は、政治的な権限が欲しい。功績にしたい。
パレードの後に、考烈王に謁見だ。
「良くやってくれたのよ~。春信君~。もうね、褒美になんでもあげちゃう」
考烈王もご機嫌だな。
でも、反対意見も出て来る。
「秦国の矛先が、こちらに向いたらどうするんだ! 長年の友好関係が、水泡に帰してしまったじゃないか!」
いるよね。不満を言いたいだけの人。
その友好関係を、10年以上支えたの、俺よ? 君がなにしたっての?
「あっ~。白起は自害したので、昔みたいに怯えなくていいです。韓国と魏国は、秦国に背を向けましたし。こっちには、来ないです」
――シーン
誰からも反論が出なかった。
その後、俺は丞相に任命された。
門閥の影響が大きい楚国だけど、トップに立ったのだ。これで、権力を振るえる。
「呉起の作った国政改革を、復活させないとね」
今の楚国は、非効率なのだ!
◇
「もうすぐ、戦国七雄の時代か~」
戦国代の末期に突入だな~。実際には、前漢国が立つまで続くんだけど。
秦国は、信陵君のいなくなった魏国へ攻め続けている。
王族皆殺しにして、国を滅ぼしておけよと言いたい。
韓国も、独立したみたいだし。
「秦の昭襄王も詰めが甘い。范雎かな?」
そういえば、そろそろ、秦国の丞相が范雎から蔡沢に代わる頃かな?
范雎も、後世で散々な評価を受けるんだよね~。中華の半分をとった丞相なのにね~。
そう思っていると、楚国内で内乱が起きた。
旧呉の地だ。
サクッと討伐して、平定する。
ついでに、内乱に協力してた、魯国だな。滅亡させて、国土を増やした。
趙国は、恩を売っているし、斉国は今の時期は大人しい。
東は、大丈夫かな?
ここで、手紙が届いた。
『春信君、戻って来て~。考烈王より』
やっぱ、俺が中央にいないとダメだよね。
国都の陳に戻ると、相談された。
「やっぱ、秦国ですか……。魏国が標的にされていると」
「秦国をなんとかしないと、危なくない?」
そう言われてもな~。
ここで、木簡が差し出された。
『魏国に戻りますので、援軍よろしく。信陵君より』
「急いで出兵しましょう。俺が兵を率います」
「おお、頼もしいのよ」
やべぇよ。これ、遅れるわけにはいかないな。
ここで、信陵君が負けると、歴史が大きく変わってしまう。
秦国の統一は、避けたいのが本音だ。
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