第2話
とりあえず、楚国に帰国出来た。
これからは、王位継承戦だよね。太子完には、兄弟がいっぱいいるので、頑張って貰わないとね。
でも、一応、太子であり世継ぎには決まっているから、帰国できれば、もう決定かな?
ここで考える。
『この太子完(考烈王)は、次の世継ぎ問題を引き起こすんだよな~』
子供がいるのかいないのかは、あやふやな人物になるはずだ。
だけど、李園の妹の子の幽王が、即位することになる。
そんで俺は、李園に殺されてしまう……。
これは考えモノだ。
今の楚国の国都は、陳だ。白起に都の郢を落とされたので、遷都したんだ。
そこで、継嗣問題が話し合われる。
兄弟が100人くらいいると、大問題だよね。
だけど、病身の頃襄王が出て来て、太子完を次の王にすると宣言なされた。
これで決まりだ……。
「
「ありがたき幸せ」
この後に俺は、土地を与えて貰って、『春申君』を名乗れるようになる。
ここからだな。
だけど、もう一手打っておくか。
「まず、早急に秦国に人質を差し出さなければなりません」
「うん。弟である公子
史実だと、そうなんだよね……。
「いえ……。別な人物を送りましょう。私に選ばせてください」
「うん? まあ王族であれば、誰でもいいよ。任せるね」
楚国は、ここで失敗したんだな……。
優秀になる人材を送って、他国で宰相させてんだし。それで、自国を攻められてどうすんだって話だ。
秦国には、歴史上に名前を残さない人物を送った。太子完の弟だ。
これでいいだろう。
◇
頃襄王が亡くなった。葬儀を行い、戴冠式も終わった。考烈王の誕生だ。
「のう……。春伸君殿。私を国に残してくれて嬉しいんだけど、暗殺とか止めてね」
隣を見る。元公子顛(昌文君)からだった。
「一緒に政治を回して行きましょう」
元公子顛は、手を取って喜んでくれた。この人は、秦国で丞相になれるほど優秀な人材なのよね。
それと、俺の土地を割いて『昌文君』を名乗らせよう。
今後、呼ぶのに面倒だ。
四年が過ぎた。
楚国は、安定して来たな~。
それと、俺は食客を集め出した。優秀な人材は欲しい。
ここで、趙の平原君が来た。
「う~ん。趙の邯鄲を攻められているから、援軍が欲しいのか~」
考烈王は、渋っている。
そうだよね~。自身は、楚国を守るために10年間も秦国の咸陽にいたんだし。
ここで登場、毛遂だ。
剣を抜いて、考烈王を脅す……。俺は……、止めない。
そうすると、盟約が成立した。
「のう、春信君。あれで良かったのかな? 秦楚同盟がなくなっちゃうじゃん?」
昌文君からだった。
「ここで、秦の軍隊が邯鄲落としちゃうと、天下統一されてしまうかもしれません。魏国の信陵君は平原君と親戚だし、三国で攻めれば、秦国に痛手を負わせられるでしょう」
「韓国と魏国は、秦国の属国よ?」
「それでも、援軍を出すんですよ」
「なんか、確信あんの?」
「平原君に聞きました(うそ)」
昌文君は、納得してくれた。
「それでは、邯鄲に行って来ますね」
「うん。よろしくね~」
魏国の信陵君が出兵したので、楚国も兵を出す。
趙国の援軍の魏国の援軍って形だ。
「先頭に立つと、後が怖いんだよね~」
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