第6話
秦王は、見つからないけど、咸陽で六ヵ国が終結した。
蕞は、抵抗を続けているけど、そのうち根を上げるだろう。
補給がないし、守るべき国ももうない。続けるなら独立かな?
「後は、論功行賞だね。問題は、領地が遠い燕国と斉国だな~」
趙国主導で、分配が行われる。
財宝を持って、燕国と斉国は帰って行った。これはいい。
後は、韓・魏・趙・楚で土地の取り合いだよな~。
咸陽をどの国が治めるかで、揉め出したよ。
でも楚国は、漢中と蜀を望んだ。
他の三国は、見向きもしないね。
「それでは、楚軍は帰るね~。後よろしく~」
秦王を逃しているけど、再起はないだろう。
さっさと帰りたいのもある。
こうして、俺は帰国した。
◇
「なして、漢中と蜀なの? 総大将だったんだし、咸陽望んでも良かったはずばい!」
寿春に帰って来たら、突然言われた。
考烈王は、お怒りだな。
「秦王は、捕えられませんでした。後に反撃に出て来るでしょう。それに、他国が飛び地を得ても維持は出来ないでしょう。ここは、地続きの漢中と蜀を手に入れて、渭水に何時でも攻め込める体制を整えるべきです」
「まだ、戦争すんの? 終わってないの?」
「秦国は、終わっていません。韓・魏・趙は、土地の奪い合いを始めるでしょうし。ここは、即断即決して、国の体制を整える場面かと……」
「君、視野が広いのね」
考烈王も理解してくれたか。
まだ、戦乱の世は続く。特に元秦の地だ。争わせて、他国が疲れ切ったら、楚国が最後に攻め込めばいい。
それで、秦・韓・魏・趙の土地を一気に取りに行ける。
燕・斉は、後からどうとでもなるな。
それまでに、国内の不満を解消しておけば、楚国の天下統一も夢じゃない。
俺の、深謀遠慮……。天下統一も見据えているぜ!
案の定、韓・魏・趙は、争い始めた。
秦国を倒すために協力して、土地の分配で揉めるのね。
趙国は、盟主の器じゃないな。
その間に、楚軍の再編成を行う。
内政は、昌文君に任せている。
不満分子を上手く懐柔してくれている。
内乱は、減ったね。
超大国とか呼ばれているけど、その実態は、二十ヵ国以上の集合体だもんね。
少しずつ取り組んで行こう。
◇
「うん? 食客希望者が多数来てるの?」
忙しく働いていたら、そんな話が出て来た。
まあ、会ってみるか。
武将だな~。
今、将兵が欲しいので、願ったり叶ったりだ。
「名前教えて」
「
ごふ?
秦国をこれまで守っていた蒙驁と、これから活躍するはずだった二人ですか?
「
思いがけない人材が手に入った。
廉頗将軍は、南の百越相手に戦ってくれている。
もう、この時代の名将をほぼ手中に収めた感じだ。
戦国四大名将の残りは、李牧だけど、北端にいんのよね。
楚国に連れて来るのは難しいけど、戦うこともないかな?
趙国を滅亡寸前まで追い詰めれば……、会えるかな?
「こうなると、秦王の行方が気になるな。護衛は、誰なんかね?」
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