戦後、内地へと戻ったアルシェに両親は涙を流して喜んだ。

 だがアルシェにはその全てが色のない世界にしか見えず食事も取らずに自室に引き篭もった。

寂しい。辛い。寒い。

悲しさが心を体を蝕んでいく。


あの時ヨハンを前に立たせるべきではありませんでした。

ヨハンを庇うべきでした。

死ぬべきは自分であるべきでした。


後悔がアルシェの精神を崩していく。

まるで自分が自分でなくなるような自分が終わってしまうような感覚。

「辛いよ……ヨハンどこにいるんですか……ヨハン……ヨハン……。」


こんな辛い時はヨハンが頭を撫でたくれました。

苦しい時はヨハンが抱きしめてくれました。


「けど今、ヨハンはもういないんですね……ヨハン、なんで死んじゃったんですか……」


ヨハンに会いたいです。

ヨハンにあって抱きしめられたいです。

ヨハンに……。


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