2 ー出会いー
校舎外に出たはいいものの特に行きたいところも何もないため、あてもなく公社買いを歩いていた
歩いていると、作業にいい感じの人静かな公園があってそこでノートパソコンを開いて自分の趣味の作業を始める。
始めたはいいものの人の目がうるさくて吐き気を催してきたため、その場から逃げた
逃げた先で見つけたのは、少し治安の悪そうな町
治安の悪そうな町だというが、そこかしこで自由に歌を歌っている人やダンスをしている人、町の人と楽しくしゃべっている人やオーディエンスがいたりと、だいぶ自由な街だ。
、、、、私はいつの間にか、そんな自由な街に惹きつけられていたらしい
「、、、、、いいなぁ、」
「何がいいのかな、?」
「ッ⁉⁉⁉」
私がそんな独り言を漏らすと、後ろから突然声をかけられる
条件反射で後ろを見れば、帽子を目深くかぶった高校生らしき人だった
「あぁ、ごめんなさい驚かせてしまって。俺は
君のネームは?」
と、急に自己紹介をしてきた彼
と、いうよりも
「ネーム、、とは、?」
「え、君パフォーマーじゃないの?、、、、ごめん、軽率だったね。
この町はパフォーマーって言って、いわば活動者だね。そういう人であふれている街なんだ
ここではパフォーマーたちが本名を知ることがあんまりなくて、ネームっていう自分で作った活動名で交流をするの、ちなみに俺の名前も本名ではないよ。」
妙に自由度の高い理由が今わかった
「よろしくお願いします、熾月さん、?」
「うん!よろしくね~
あ、どこか行こうか、?此処じゃあ騒々しくて話ゆっくりできないもんね、?」
と、気遣うようにやさしく話しかけてくれる熾月
「はい、お願いします」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
急な出会いをしてから大体20分ほどが経った頃だろうか
私は熾月に連れられて近くのカフェに入っていた
「んで、君はどうして開映のジャージ着たままこんなところにいたの?」
急にそんなことを聞き出してくる彼
「ッ、え、なんで急にそんなこと聞くの、?」
さっきまでは雑談をしていただけだった
「まぁそりゃあ気になるよね、俺は練習に集中したいから単位制選択してるけど、見たところ君そうじゃないでしょう?」
「、、、、別に、散歩だけど」
「ふーん、そっか。」
と、素っ気無い返しをされて頼んでいたカフェオレを飲み切る熾月は、何やらカフェの奥のほうにあるステージへと向かう
私も、なんだなんだと後に続くが、今思えば向かわなかったほうがいいのかもしれない
、、、いや、向かっていても向っていなくても結果は同じだったろう
「ねぇ、君。歌える、?」
そういいながらマイクを差し出す彼と、戸惑う私
「え、え、、?」
「今からゲリラライブやるけど、銀の狼って歌える?」
「ま、まぁ、歌えますけど、、」
「よし、大丈夫だね、じゃあ俺が最初に入るから君のタイミングで入ってきて
あ、名前聞いてないや、名前教えてくれない?」
とんとん拍子に進むゲリラライブの計画と
、、、、それに悪い気はしていない私
「桐谷、、ノアです、」
「Ok!じゃあKanoaでいいね、よろしく頼むよ、Kanoa」
「、、、、こっちもよろしく、熾月」
と、そんな会話をして、顔を突き合わせて笑みを浮かべた後にスタッフから、頼みますと一声かけられて、私、いや、俺たちは舞台へと上がる
これは、ただの
パフォーマーへとなり、自分に自信を持ち始めて、同時に夢を持ち始めた
一人の少年の物語
そして、その夢を
一人の少女の手によってぶち壊された
一人の、悲しい物語
本日の公演は終了となります
ご来場、ありがとうございました
次回公演は、来週の水曜日の午前零時となります
次回の来場も、団員一同、心よりお待ちしております
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます