旅の計画を 第9話

 僕が帰宅すると、作られたばかりのグループは早速盛り上がっているようで、スマホを開くと大量の通知が届いていた。

 

(みなさん盛り上がっていますか!)

(今日は早速キャンプを行う場所を決めたいと思います。)

(はい拍手!)

(いい場所知っている人いませんか?)

 

(前に歌恋と行った所は?)

(コテージで遊んだの楽しかったから)

 

(それ、この間の話じゃないですか。)


(他のみんなは行ったことないのだからいい思い出になると思うよ)

 

(まあ、碧ちゃんが言うのならいいかもしれませんね。)

(候補地一つとしましょう。)

(他はないですか?)

 

(俺はキャンプなんぞ行ったことないけん場所なんぞ一つも知らん)

(やから山河内さんが言っている所でいいと思う)

 

(美里キャンプ場が二票ですね。)

(他の方はどうですか?)

 

(僕も岡澤君と同じでキャンプに行ったことないから場所なんて一つも知らない)

(山河内さんのおすすめならそこでいいんじゃない)

 

(美里キャンプ場が三票ですね。)

(真咲ちゃんや一花ちゃんはどうですか?)

 

(私も美里でいいよ。)

(あそこ外観も自然も綺麗だし、夜は静かで川のせせらぎが心地いいから好きなんだ。)

 

(私は勝占のキャンプ場希望)

 

(近すぎるので却下です。)

(一花ちゃんの家から徒歩圏内で行けるじゃないですか。)

(それに、あそこ国道近くて夜うるさいのであまり好きじゃないです。)

 

(人に意見を聞いといて全否定とか歌恋ちゃん酷い)

 

(それは申し訳ありませんでした!)

(でも、ふざけた一花ちゃんも悪いと思いますよ。)

(そんな話はさておいて、)

(満場一致で美里キャンプ場に賛成なので、場所はここで決まりです。)

(次は、行く日を決めたいと思います。)

(現状、土日かゴールデンウィークまで待つかの二択しかありません。)

(どちらがいいですか?)

 

(ゴールデンウィークは確かにありだけど、人も多そうだし、早めにしたいから山河内は土日に一票)

 

(私はどっちでもいいけど、早めに実行するのに賛成。)

(よって、堺は土日に一票。)

 

(岡澤はまだどちらも予定ないんでどっちもに一票)

 

(私は行かないに一票)

 

(こら! 一花ちゃん!)

(二択です。どちらかにしてください。)

 

(僕もどっちもに一票)


(こら男子もどっちもはなしです。)

(でも、四票集まったので土日でいいでしょうか?)

 

(異議なし)

 

(異議なし。)

 

(異論はないで)

 

(異議あり!)

(行かない選択肢)

 

(そんなのありません!)

 

(僕も異論はない)

 

(土日ということは決まりましたが後は具体的な日付ですね。)

(二十日・二十一日か二十七日・二十八日どちらがいいですか?)


(岡澤はどっちでもいいです)

(特に予定もないので)

 

(私は絶対二十七日・二十八日)

(十八日と十九日にテストあるからそれが終わってからにしたい)

 

(テスト終わっとるけど二十日はあかんの?)

 

(キャンプに行くってことは事前に準備が必要じゃない)

(テスト終わって次の日だったら間に合わないかなと思って)

 

(確かにそやわ)

(ほなら俺も二十七日で)

 

(私も碧ちゃんに賛成。)

 

(僕も山河内さんに賛成)

 

(私は本当に行かなとダメ?)


(ダメです。)

(無理矢理でも連れて行きます。)

(と言うことで日付は二十七日・二十八日に決まりました。)

(必要物品等のことはまた追って連絡します。)

 

(よろしくね歌恋!)

 

(如月さん。頼んます)


(歌恋ちゃんよろしくね!)

 

(歌恋ちゃん一生恨む)

 

(ありがとう如月さん)

(よろしくお願いします)

 

(はい、任されました!)

 

 僕のいないところでグループは盛大に盛り上がっていて、僕のいないところで場所も日程も全てが決まっていた。場所と日程を勝手に決めるのは百歩譲っていいけど、(満場い一致)その言葉だけは心を抉られた。

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