第99話

江戸城の視察が終わった後、僕は、町割りを考えていた。江戸に関しては僕が一任されている。大名家の屋敷を近くに置くにもいいが、軍の本部も近くに欲しい。後、いずれ車が使われる様になった時に、使いやすい幅の道路を作るつもりだ。僕たちの領土では人口が大幅に増えていて、800万人を突破した。現代社会から見ると少ないかもしれないが、この時代では半分以上だ。それだけ豊かだし、暮らしやすい。そして、開拓地があるため、いいのだ。沼地などを埋め立てて、使える様にしている。しかし、未来で起こる地球温暖化のことを知っている僕は、森林破壊の代わりに、木を植えさせている。それも一種類だけではなくさまざまな種類をランダムにだ。その結果第二の原生林を作れて、環境に良い。また、シベリアは、日本の領土の35倍を超える。そのため、森林などを保護しながらの開拓が可能だ。やっぱり環境破壊はいけないし、日本人はそういう思想が強い。山に神様がいるとも言われているしな。後ロシア帝国に使者を送るか。ツァーリはイバン雷帝だが、どういう返事が来るのかは気になる。まだ、ロシア人のシベリア進出は小さく、すぐに我々に従って、すごい勢いで発展しているが、どうなるのか。共存もできているしなあ。うまく取り込みたいものだ。まあ、争いたくはないし、何か行動を起こすのは、国内が安定してからの方がいいだろう。そのためには江戸の街を安定させなければ。



江戸城の周りには家臣団の屋敷と、軍の施設を建てよう。軍の本部はまあまあ大きくする必要がある。しかし国防省みたいな感じで物資を得るのを主な仕事とさせよう。後は、城内にある、空いているスペースに最高裁判所を作るか。急いで命じておこう。後から施設を足せる様にしているしな。今回作ったのは基幹となるものだけで、家臣団の屋敷も作れるスペースがあるぐらいだ。やっぱり一気に全部作るのはたいへんだ。そして、武家の屋敷の外にも塀を作るか。そこから先に入場制限をつけて、予約をしてからではないと入れない様にしよう。時代劇ではよく悪巧みを商人と武士でしている。予約をする必要があったら難しいだろう。後は中に住んでいる人には許可証を出そう。そして、武士エリアの外には商業地区、職人地区、神社地区、そして、住む場所に分けよう。また、建物の間は空けて、大火を防ぐ必要がある。江戸は火が多かったからな。後は、町人たちによる火消しと、町奉行を作って、警察みたいなことをしよう。交番見たいのも設置する必要があるし、寺子屋に行く義務も与えなければ。考えると考えるほど、やることがある。町奉行は市役所みたいな形にするか。そこで、建築の際は決められた耐震などの工事をするかチェックして許可を出そう。まあ色々なことが進んでいてよかった。やっぱり立派な街を作って、国内外の問題に対処しなければ。そして、植民地化だけは避ける必要がある。今の世の中、全員平等では、世界が動かない。キリスト教は素晴らしい教えかもしれないが、現実的ではない。だから、いずれ禁止する必要があるだろう。まあ幸いに今川領では、もう禁止令は出ているが。完全に取り締まってはいない。そもそも絶対数が少ないし。豊かな暮らしだと、面倒臭い宗教に入る人が減って助かる。僕もこっちに来た時とはだいぶ変わったなあ。思考が特権階級になってきた気がするし、戦でもどんどん冷静になっている。まあ今川家嫡男として頑張る必要がある。なんか過去の人になったなあ。僕も変わっている。一人称だけは変わらないけれど。みんなの前では、この時代の言い方をするけれど、頭の中ではずっと僕だ。もう前世とおんなじぐらいこの世界も経験した。どちらの方が充実していたかはわからないけれど、僕はどちらの世界も好きだ。








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