第90話

僕は離れに戻ると、明日研究所に行くとして、そのまま休んだ。明日は、全ての確認とどれだけの兵器を使用できるのかチェックする必要がある。


次の日、研究所に行った僕は喜一郎と会った。

喜一郎に連れられて地下室に行くと話し始めた。

「喜一郎、どれくらいAG55は生産できたか?はっ、従来の銃は確か今5000丁程あるのに対し、新型銃は、生産が難しく、現在は月150丁が限界です。若殿が生産工場を増やしてくださったことに非常に感謝しています。そうですね、1500丁ほど、軍に納入可能です。」

「左様か。頼んだ。」

「後は、輸入してきたペルシュロン種の馬の繁殖はどうだ?」

「はっ、順調です。50頭を繁殖用といたしまして、たくさん少ない牡馬に種付けさせているので、45とう新たに生まれました。」

「左様か、この調子で頑張ってくれ。」

「はっ、」

「自動車は?」

「まだそこまでではありませんが、飛行機に使った材料を使うなど工夫しています。」

「そうか。頑張ってくれ。大砲は?」

「はっ、車輪付きのもの、60台用意しています。無反動で20km飛ぶものです。」

「うむ、H55と名付けよう。これからも生産と開発に励め。」

「はっ」

「飛行機も開発中か?」

「はっ、千吉殿とのアドバイスの元、レーダーとやらや、本部との通信機器を作成しています。」

「左様か。引き続き頼む。」

「はっ」

「今日は大砲は50輌のみでいい。馬で引く」

「はっ」

そうして、朝倉攻めの準備は進んでいた。



一月たった。遂に朝倉攻めに向かって出発する。義兄上からの命令も降っているから大義名分もある。

駿府を出発した僕は、銃刃軍、龍刃軍と赤備え2万1千のみ動員した。これは今までと比べると兵の量は少ない。後は砲兵部隊もいるが、まだそこまで大きくない。精々250人ぐらいだ。近衛軍は2千連れていくが、入京にあたって護衛の任務を行わせる。近衛軍は、西洋式の軍服を採用させた。この国では見慣れないが、ワイシャツにネクタイ、更にズボンをきちっと着させた上に、金の糸や、階級章がある、ジャケットを着て、専用の帽子をかぶる。儀仗兵のような感じだ。そして腰には刀を2本さす。更に銃を持つ。装備はすごいが、服装はかなり堅苦しい。しかし、このような服装は見慣れられていないが、すごく統制も強い為、印象に残って権威を示しやすいのだ。まあ今川家の財力を示す結果だともいえよう。そもそもずっと22カ国だと思っていたけれど考えてみたら23カ国だった。多くて分かりづらく少しなっているが、織田信長でさえも、東国をここまで併合することはできなかった。僕は織田信長が嫌いだったが、超えたかった。超えられた気がして、虐殺は悪いことだと証明できた気がする。後は越前朝倉との戦いを頑張る必要がある。









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