第88話

西の丸の設計図が済んだ僕は、三の丸に移った。三の丸はだれがすむなどはきめていないが僕は、二の丸、西の丸とは違い、少し狭い上に、防御を重視した作りにした。更に、南の丸と北の丸、東の丸を作成した。其方のうち北の丸は、今川宗家の跡を継がない男子が住む場所で、南の丸、東の丸は三の丸と同じ感じだ。しかし、この時点である廓は6つ。かなり多いだろう。更に、洋風の宮殿見たいのも作った。一様防御もできるようになっているが、明治時代でいう鹿鳴館とにている。しかし住むことも可能だし、そこに防衛上の機能もある感じだ。また、西洋風の謁見の間まで作る予定だ。かなりすごいだろう。そして、お客さんが泊まる用の曲輪も作成した。武蔵丸だ。ここは和風エリアと洋風エリアの二つだ。そして、たくさんの掘りや、櫓、そして騙すための廓まで作成した。また、見取り図の先には出丸まで作られた。確実に、この国最大の城だ。そして見取り図の完成を待って、縄張りが始まって行った。流石に僕がずっといるわけにはいかないので、駿府に帰還したが、江戸城の建設は順調に進んでいた。石垣は、綺麗に切って、ピッタリ合うようにした上にでこぼこを測って、はまるように工夫した。そして、石の上にはコーティングをすることで、出っ張りをなくして、登り辛く作った。攻城戦を困難にすることは重要だ。更に銃を撃つ場所、そして、一部の堀は星形になっているし、全ての城を囲む城郭も同じだ。そこは弱点を減らすために行なった。そして大砲を設置するように設計した。この城は今川家の最新技術を使ったもので、農民も動員されたが、主に兵士がやった。農業に影響を出さないことを考えた結果、訓練を少しされただけの、戦力にはならない兵士が、体力をつける意味も含めて、行うことにしたのだ。掘りや、壁にも様々な工夫を施させていて、現場は勘九郎が指揮をしていた。


江戸城の建築が始まって、2か月後、1555年10月に、僕は父上に呼び出された。久しぶりだったし、駿府に帰ってきて直ぐだったのでびっくりした。

「父上、何用でしょうか。」

「彦五郎の結婚相手についてだ。正式に決まった。婚姻は半年後、4月に駿府にて行う。しかし、その後に上洛して、上様に挨拶をするように。上様は参加できないことを悲しんでおいでだったからな。後、今後は今日のことも其方に任せるから覚悟しておくように。結婚のことのみ、余が主導する。断るのは認めない。もうすでに本決まりだ。」

「はっ、して相手は。」

「よく聞け、上様の妹君、政姫様だ。」

「えっ、あのお方ですか。ああ!だからあの時、某に話させようとしたのですね。納得いたしました。」

「納得したようでよかった。其方が辞退しないために、私と上様で話を進めた。会談の内容を話さなかったのもそのためだ。後、婚姻に伴って、東国の大名家4家を与力となす。上様の意向だ。彦五郎が率いることになるだろう。上様の義弟としての東国を抑えることが望まれているはずだからな。」

「はっ」

「まあ朝倉は様子見だが、近々討伐を起こすかもしれない。朝倉家は、宗瑞を亡くした。亡くなるまでは攻める意向はなかったが、もうそれは変わった。朝倉攻めの総大将として、朝倉を滅ぼすようにとの命令だ。」

「はっ」

「これで24カ国目か。大変だな。多くなる遠くなる程統治が大変だ。」

「左様です。」

「後は、彦五郎の立場が将軍家の一門衆の中でも上がる。気をつけて動け。今川家の次期当主だけではない、上様の実の妹君を娶るのだ。上様の義弟として相応しいようにせよ。」

「はっ」

結婚かあ。覚悟していたけれどなあ。やっぱり乗り気にはならない。まあもう決まったことだし仕方がない。せめて仲が悪くはならないように頑張ろう。この結婚は今の幕府の体制を盤石にするためだろう。義兄上と僕の協力、もしくは後ろ盾によって幕府の権威は保たれている。和泉国は幕府直轄領になったが、まだ1カ国とちょっとだ。これだと弱すぎる。今川家がいないとダメだろう。そして、我らが謀叛を起こせば直ぐの支配できる。それをわかっていての事だろう。要は僕と政姫様に今後が担われているということか。









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