第85話

千吉との出会いから1週間経った。家臣には食事を持って行かせている。千吉はまだ籠っているようだ。本当にできるのかは気になる。できなかったら村に返すし、できたらやとう。まあ簡単なことだ。

「若殿、千吉が完了したようです。」

「左様か。現物を持ってつれて参れ。」

「はっ」

僕に割り振られている領内に関する書類は軍事関係に時間を割いているし、嫡男にすぎないこともあって、まだそこまでの量はない。だから、毎日3時間弱で終わる。まあ父上は、すごい量をやっているから、その後は、軍の関係のことなどをやったり、少し勉強したりと、結構忙しくしているけれど今は午後だ。もう僕は義務は終わらせている。だからすぐに会える。


千吉がやってきた。なぜかわからないけれど、庭で跪いている。確か農民はそうだったか。まあ身分的にはただの農民だし、礼儀に従っただけだな。

「千吉、よく参ったな。終わったときいたぞ。かんせいひんを見せよう。」

「はっ、こちらです。」

家臣が箱見たいのに乗せて差し出してきた。

「うむ。確認いたそう。その前に質問だ、効力はどれぐらいだ。」

「三から4里です。」

「うむ、左様か。とりあえず屋敷の端に誰か行け。」

「はっ」

無事無線機は動いた。

「千吉、よくやったな。研究班として召し抱えよう。研究所にて、今日より働くように。また、この技術を伝授いたせ。後、近うよれ。」

「はい」

「耳を貸せ、」

「はい」

僕は千吉の耳元に戦闘機の連絡手段を作るように命じた。かなりの進歩が行われるだろう。我が家にとって、飛行機の実用化が最優先だ。最初は爆撃機からだが、多目的機も作るつもりだ。この時代には早いが、イレギュラーが2人もいるのだ。仕方がない。それに、今川家の現在の領土だと、飛行機が使えないと大変だ。後は電話を設立するか。無線機もできたし、後は結構早いだろう。電話さえあったら連絡が早くなる。それに今はまだ傍聴を警戒する必要がないのは楽だ。いずれはする必要があるが。



それにしても、少しずつ今川家は、現代に近づいている気がする。後、このままだったら駿府は狭くなる。開拓はしているが。それに武蔵の開拓はすごく、どんどん埋め立ても進んでいて、広い。いずれそこに引っ越すか。軍の主要な建物もあっちにあるし。流石に司令はこっちだけれど、訓練とかはあそこで行われているからな。駿府は今川家第二の都市でかつ、副都として機能させるか。そしたら2個都があるみたいだし、駿府の立場は落ちない。しかしこのまま人口が増え続けるのも考えものだ。僕の代になったら変えるか。その前に、武蔵国、江戸に堅牢な城を作成しよう。天下に響く今川家に恥じない立派な城をな。急に作るスピードは必要ない。少しずつゆっくり作ればいいだろう。江戸は地理的にもいいし、後にも江戸が首都として東京になって繁栄しておるんだから。父上にその話を通してみよう。今年の予算は確か50万貫ぐらい余っていたはず。領国が豊かな上に、開拓地からの成果もすごくて、領地の年間収入は100万貫をすでに超えている。しかし、結構発展して、戦争もないためか、かなり溜まっているのだ。城は40万貫あればできるはずだ。だったら父上に許可をもらって、建設をしよう。小田原よりも、江戸の方が北方領土に近いし、今川家領国の中心に近い。それに、大きい港もある。港は重要だ。駿府を国際都市にして、江戸をお膝元にするのがいいだろう。すでに開拓工事はすごく進んでいて、かなりの埋め立ても行われた。確か元々城もあったし。今回は、僕が主導で建てよう。決めたからには、父上に許可をもらって、急いで作る。とは言っても完成は3年後とかになるんだけれど。まあ立派な、日の本の3分の1を治める家に相応しいものにしよう。もちろん防御が最優先だが、中は豪華の方が良い。結局は何年もの単位で作られるものだからな。そして実際の江戸城より大きく、丈夫に造ろう。新たにコンクリートも作成できるようになったしな。現代に使われていたものを沢山今、作っている。コンクリートに関しては完全にたまたまだが。しかし、コンクリートは木に比べると強い。ただ、火災は危険だし、火災の後は補強する必要があるだろうが、コンクリートと鉄を基本に開発を無事にできた、プラスチック素材で木の風味を真似させよう。その上に、畳を置く。まあ結構丈夫になるだろう。後、天井は日本家屋的ではなく、かなり高くにするか。僕はとても背が高いからな。結構ギリギリだ。現代で言うと180cmを超えている感じだ。まあいいもの食べて、運動して、睡眠も沢山とって過ごしたからな。当たり前かもしれないが。後噂に過ぎないが、今川家には、異国の血が流れているそうだ。代々の当主も基本的に僕ほどではないが、背が高かったし、肌も白い。まあ本当はわからないけれど。事実は謎に包まれている。








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