第84話
武器製造の伸びがとてもはやいスピードで進められているのに対して、飛行機の製造はとても遅かった。完全に新しい技術で、製造に多くにものを新しく開発する必要があるのだ。後は電話が必要だろう。この状態だと、連絡が取れなくなる。それだと現場判断に任せる必要があるが、上空の情報が完全に信頼できるわけではない。それに何かあったとき捜索が遅れる。それは困る。無線の開発も去年命じたが、まだ試作品でさえもできていない。無線機の前に電報もないし、まだまだ無線機の開発にはハードルが高いのだろうが、困る。無線がないと作戦実行が困難だ。どうすればいいんだ。なんか現代のものを召喚できる特殊能力でもあればいいのだが。僕は気晴らしのために、遠乗りに出かけることにした。とは言っても今や日本の3分の1に当たる22国と北方領土と呼ぶ、蝦夷地やシベリアを含む広大な領土を治める今川家の次期当主だ。護衛はもちろん尽くし、15騎ぐらいが最低でも連れていく必要がある。まあもちろん気心の知れた中の家臣団のみを選んでつれて行ったが。そこでこの状況を打開できる人に会えた。
「若領主様、お願いがございます。」
領民たちが僕を避けている中で1人、前に出てきた少年がいた。僕と同じぐらいだろう。
「無礼な、切り捨てるぞ。」
「福島、やめよ。大切な領民だ。」
「はっ、申し訳ございませぬ。」
「良い、其方の忠誠心は理解しておる。でなんのようだ。」
「はい、私には未来の知識があるので雇ってください。農民はいやです。」
「ほう?気になるがまずは名前と年齢を名乗れ。」
「千吉です。18歳です。」
「うむ、でっ、余の家臣になりたいとなあ。」
「わわっか領主様、申し訳ございません。うちの愚息が18にもなって大人だというのに。またバカなことを言って。」
「良い。気にせぬ。」
「ありがとうございます。ほら、行くよ」
「いやだ。」
「話を聞いてやる。この近くに寺はあるか。」
「はっはい案内させていただきます。」
「頼む」
僕はそのまま近くの寺に入って、人払いすると千吉という少年と対面した。とはいえ年上なんだけれどね。
「でっ前世の記憶があると言っていたが本当か。未来の知識を話してみよ。」
「ああいいよ。あなたの名前はい」
「余の名前は良い。もし言ったら無礼に当たる。世界情勢などだ。」
「わかったよ。日本はインフレが進んでいてやばい。そして世界ではアメリカと中国の対立がひどくて、ウクライナではロシアと戦争が起きている。もうすぐで2024年のアメリカ選挙だな。後、史実だと桶狭間の戦いで領主様は織田信長に殺されるよ。あとね、足利将軍家は滅びる。現在の公方様は、三好に殺されて、従兄弟の足利義栄様がなる。そのあと、織田信長によって倒されて上様の弟の足利義昭様で終わる。」
「そうか。しかし信長は死んだ。今川は其方の言っているものとは違う。それにお前の言っていることを信じ切ることはできない。余からテストをいたそう。」
「わかったよ。何?とても優秀なんでしょ。」
「そうだな。ウクライナの大統領の名前を言ってみろ。」
「大統領?2023年現在はゼレンスキー大統領だよ。」
「全てだ。全部ではないだろう?」
「っていうかもしかして転生者?」
「それはどうかな。早く質問に答えろ。」
「えっとねウォルディミールゼレンスキー大統領」
「違う。ウォルディミールオレクサンドロヴィチゼレンスキー大統領だな。」
「っていうかなんで知っているの。ミドルネーム入れないとダメだったんだ。ていうか絶対転生者でしょ。」
「でさっ俺兵器の研究をしたいの。俺、在米日人でさ、ハリス社で働いていたんだよね。だから電子機器の作り方熟知している。無線機も含めてなんでも作れる。この世界には機械がないけれど、知恵見たいのを神様にもらったみたいで、この世界の環境でも材料さえくれれば作れる。」
「ほう?材料を与えるからやってみろ。それで採用かは決める。まあとりあえずついてこい。」
なんか面白いやつを見つけた。でもこの世界って僕の他にも転生者いたんだ。知らなかった。もしいるんだったら集めたいな。転生者は絶対的に回すと厄介だし。家臣らは気に食わない様子だったが僕はつれて帰って、要求した材料を与えて、屋敷の中にある研究房でつくらせた。その結果次第では家臣とするつもりだ。無線の問題は深刻だしな。
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