第82話

北方戦役(陸奥、出羽、蝦夷地、北方領土、樺太、シベリア)が終わってから1年ほど経った。僕は17歳になっていて、父上から重大な話があると呼び出されていた。シベリアの開拓を順調に進んでいて、今川家の財政は大幅な黒字だった。全ての領地が一定水準の生活を送ることが可能で、軍の拡大もすごい勢いで進められていた。更に新型鉄砲AG55が開発された。新しいタイプの弾薬は無事開発が成功して、連射が10発可能になった。まさに現代式の銃だ。見た目も変わって火縄銃というよりはもう完全に違う銃という感じだ。射程距離も元のものより少し伸びて350mだ。AG55は他の鉄砲と明らかに見た目が違うし、結構現代のに近いため、研究班を縮小して、製造部門を大幅に増やした。こちらの方が製造が難しいが、性能は高いため今までに製造された約5000丁を保存した上で、新しい鉄砲の数を増やしていく予定だ。いずれは全てに鉄砲をこの型にしたいと思っている。AG55まで達した以上これ以上の発展もさせたいが、そこまでする必要はない。これからは生産数の増大と、電気などの開発をはじめとする他のことに力を入れていく方が大切だと僕は信じている。今川家には車とかがないが、それを開発して、大砲をいずれは馬ではなく自動車でできるようにしたい。大砲も試験のみではなく、生産を開始することを考えている。今は、鉄砲に使っている技術の転用を開始したそうだ。ただ、無反動砲にされたため、大変だそうだが。この時代だったら10kmはすごいが、未来では性能が非常に低い。しかし、大砲はこの2年ぐらいで著しく発展した。無反動砲になったことによって5kmぐらいに落ちていた砲弾が、20kmまで上がった。普通なら非現実的だがそれを行なったのだ。僕は生産の許可を遂に出して、弾丸も、連射しやすい、小銃用の銃弾と似た砲弾を作成させた。これはまだ10台しか作られていないが、どんどん作成数を増やす予定だ。乗せる滑車もテコの原理を使った、少ない力で引きやすいものだし、すでに海軍では大砲は使用開始されている。それもかなり強力だし、保有船数も増えている。後は今開発している一種類だけではなく劣化ウラン弾なども開発できるようにすればいいが。後はエイブラムス戦車みたいなものだ。後、今川領内では行軍、特に砲撃をするための砲兵部隊を動かしやすくするために、街道の整備がすごく行われていた。街道の整備が終わったら、京にも行きやすくなるし、連絡も早くなっていいだろう。後は山だ。いろいろなところで邪魔な山をどうにかする事を考えているんだが、色々困難だ。どうにかして山を突き抜ける道路を作りたいのだが。まあこんな感じで街道の整備は進められていた。1年間軍事行動が全くないのは僕が元服して以来初めてのことで、本当に嬉しかった。上洛もしなかったのだ。駿府にいることなんてあまりなかった僕からすれば軍の整備に取り組んだだけで、休憩もできた。








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