第81話

東北地方も含め、北方の領土を全て無事に平定した僕は、統治作業などの様々なことをやってシベリア、蝦夷地が安定したのを見て、駿府に帰還した。しかしまず言われたのは父上から独断で北へ攻め上がったことの叱責だった。でも結局は許されて良かった。未来のウラジオスクやユズノサハリンスクも取れたし、海軍の軍港をたくさん整備して、ロシアの太平洋艦隊と日本の海自を合わせた最強の海軍を作りたいと思う。それに豊臣秀吉は、今のところ存在していないようだ。まあただの農民として尾張で生きているのであろう。もしくは他の大名家で使えているか。しかし、ある程度以上に出世して僕に存在を知られたら暗殺される運命だ。僕は前世から一貫して秀吉が嫌いだった。秀吉は必ずや殺す。もしくは力を与えない。そしたら、秀吉のような農民上がりに跪く必要はないだろう。義兄上、僕が生きて、三好に負けない限りはこの体制が崩れることはないだろうが。しかし東国は今川のものになった以上、三好は西国で勢力を広げるしかないだろう。長宗我部はまだ統一はできていないといえど土佐一条家を滅ぼす目前なようだし、僕の陣営はかなり順調だ。後は恩をうった毛利がどうなるかだ。毛利はまだそこまでではないし、尼子などが残っているが、尼子に三好は支援しているそうだし。同じ将軍家の家臣同士で戦ってはほしくないんだけれどなあ。困ったもんだ。


父上は僕が行う行動には必ず何か裏があると思って、認めてくれて助かる。しかし大幅に領地を拡大したことで軍備が追いつかなくなるだろうし、シベリアで軍を養うのはきついだろう。そのため、屯田兵を作成することにした。屯田兵に対しては軍人としての訓練が義務付けられるが回数は低く、開拓が主な仕事だ。まあある意味の予備役だ。しかし流石に僕も予備役だけではなく常備軍も送るつもりだ。しかし今、行われている建設だと開拓地には5万人はいる予定だが志願者はとても多い。土地を継げない農民の人たちが希望してくる。それ故に、僕はその中で軍に入隊希望を出している人達を選んで、3ヶ月間みっちりと訓練させた。その結果僕が駿府に帰還する8月には、もう訓練が完了した第一弾3万人が屯田兵(予備役)としてシベリアにやってきて、開拓作業に従事する傍ら、訓練にも励んでいた。屯田兵となると、税が3公7民と1割削減されるため、なるのを望む人が続出していた。今川家としても安上がりで住んでどちらも嬉しいわけだ。財政に困った上杉家でも行われた方法と同じだ。北海道にも同じようなことが行われて、現地住民とは友好的な関係が築かれていた。今川家の占領政策はうまくいっていて、陸海合わせて常備軍は20万を超えて、予備役は今は3万だが、これから17万人ほどは訓練して、20万に増やす予定だ。今川領内では、医療の充実度が高いのもあって、領内の生存率は高い。それで余った過激人員が、屯田兵となっていくのだ。その傾向は動員ではなく正規軍人のみが戦うようになってさらに変わっていった。このままさらに発展していってほしい。いずれは21世紀は無理だとしても、もっと進んだ文明を持ちたいものだ。僕としてはいずれは鎖国をする意向だ。西洋の衛生は悪いから、変な病気は移されたくないし、キリスト教によって動乱が起こされたくない。だからキリスト教を根絶するためには鎖国が必須であろう。しかし進んだ文明を持ち、発展を止めなければ西洋にいずれ開国を余儀なくされる時対抗できるはずだ。だから蒸気船なども作成できるように頑張ろうと思っている。それにミリオタとして近代の軍備の方がカッコよくて好きだし。









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