第51話

「これで武器の話は終わりか。」

「はっ」

「外に出よう。」

僕らは地下を通り過ぎて地上に戻ってきた。竹千代と昌豊は外で待っていたようだ。

「それで半吉に合わせてくれ。」

「はっ、ここにある長屋街に案内しますね。浴場や、食事処、若殿などのお偉い方を迎える部屋で待ちましょう。」

「助平、半吉を広間に呼んでくれ。」

「はい!親方」

「喜一郎は親方と呼ばれているのか。余もそう呼ぼうかのう。」

「絶対にやめてください。立場が上の方に呼ばれると余計恥ずかしいですし。」

「冗談だ。そういえば大砲だが、海軍用も作ってくれ。」

「はっ、了解いたしました。海上で使えると言うことは真っ直ぐにと言うことですか?」

「いや、真っ直ぐでも良いし、上から落ちてきても良い。気にせぬ。」

「はっ、作成会議をしたいのですが。」

「ただ備え付きだから、まだ重くても良い。」

「はっ」

海軍の編成を始めないとな。九鬼水軍と今川水軍を合体させて、上手い具合に船団を作る必要がある。上手い具合に、太平洋側の海を掌握できたらいいが。日本海側も欲しいんだけれどな。色々な豊富な資源もあるし、今はまだ、ロシアは手を出せないはずだ。シベリアもいずれは我等のものにしたい。明や朝鮮はどうでも良いが。手痛いしっぺ返しは喰らいたくないからな。シベリアには大量の資源があり、それを我等のものにできたら、武器製造の上で有利だろう。しかしそのためには寒さで壊れないものを作れるようにならなければな。


そして僕は広間に着いた。

「親方、半吉きました。」

「入れ」

半吉は僕をみて誰かわからないのかキョロキョロしていた。

「若殿の許可無しに面をあげるな」

「昌豊、良い。面をあげよ。」

「はい!」

「其方が半吉か。銃の件で功績を立てたそうだな。喜一郎から聞いた。」

「はっ、ここにおります半吉は銃の製造において大変有用なことを行いました。」

「よって褒美をとらす。何が良いか。なんでもとはいえぬができることはやって使わそう。」

「えーっと、苗字が欲しい!なんか苗字ってかっこいいし間違えられないじゃん。なんかおんなじ名前の人結構いるし。あとは銃の製造に関わりたい。」

「喜一郎ちゃん聞いたな。異動はしないでやれ。」

「はっ」

「苗字か。うむ、鍛治をやっているから田鍛と名乗るが良い。」

「ありがとうございます!後一つ質問があります。」

「ん?なんだ?」

「貴方は何者ですか?親方より偉いようですけれど。」

「余か?余は今川家次期当主、今川彦五郎氏真だ。まあ今川宰相でも良いかな。」

「えっ、そんな偉い方だったのですか。すいません。無礼を許してください。」

「許す。礼儀なんて知らないだろうからな。良き武器を開発してくれればよい。」

「ありがとうございます。話はこれで終わりですか?」

「そうだ。余は帰る必要があるゆえな。喜一郎、後で銃を受け取るものを差し向ける。今日はありがとな」

「はっ、ありがたき幸せです。」

「またな。昌豊、竹千代行くぞ。」

「「はっ」」

色々な収穫があってきて本当に良かった。






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