第49話

「大砲の方はどうだ?」

「はっ、大砲の距離を伸ばすための研究をやっています。また大砲を撃つにあたって、反動というのが出てきてしまっていまして、どうすれば良いのやら。反動があると撃ちづらいのですよね。」

「うむ、皆が避ければ良いのでは。反動が来ると知っていれば、反動を避けるにも容易であろう。」

「はっ、確かにそうなのですが、周りに打つ人員だけだったら良いのですが、それ以外の人員もいると撃ちづらいと思いまして。」

「確かにな。しかしそれは飛ぶ距離を伸ばせば良いだけであろう。そしたら後方から撃てる。たくさんの兵を周りに置く必要はない。」

「はっ、確かにそうですね。無反動にすることは諦めます。」

「後無反動にしたいのなら大量の煙とかを出せばいいだろう。しかし建物の中とかで戦う戦いだったら無反動の方が良いかもな。通常砲がある程度完成したら無反動砲の製作も開始せよ。」

「はっ」

「それで飛距離はどれぐらい伸びた?1kmだと短すぎる。せめて10kmいや、3里ほど欲しいところだな。」

「はっ、砲弾に関しては同じ単位で統一させていただきますが、正直そこまで進歩しておりませぬ。ただ、最高で凄い衝撃波の元なら、9km飛びました。」

「もう少しか。しかしすごい衝撃波とはどういうことだ。」

「はっ、周りが衝撃で揺れ、人が吹っ飛ぶかと思うほどでした。それゆえに反動を消すことを考え初めまして。」

「確かにな。しかし反動を減らすと、威力が低くなるのでは。」

「はっ、しかし人命のためにもこれが良いと考えまして。」

「そうか、まあ人命を失うことだけは避ける必要がある。無反動に作り直すが良い。目標は20km以上だ。そして20km以上、40km以下の大砲を榴弾砲と名付ける。」

「はっ」

「それで飛距離のことは進歩を望むとして、大砲の動かす方法だ。大砲はとても重くて持ち運び困難であろう?」

「はっ、このままでは研究房から動かせないため、一旦分解して、実験場で組み立て直しています。しかし半刻ぐらいはかかるため、大変不便です。」

「確かにな。半刻もあったら早ければ戦場は終わる。それに追ってをかけるのにも向かないな。」

「はっ」

「せめて半刻の半分、四半刻にできぬか?」

「現在では困難でしょう。もし組み立てが終わったまま運べたら良いのですが。それに分解する必要がなければ、飛距離を伸ばすことが可能かと。」

「ということはだ、大砲の下に牛車についているような車輪をつけるのはどうだ?」

「ほう、それは興味深いですが、どうやってそれを動かすかという問題になります。」

「確かにな。牛を使えば良いのでは?」

「はっ、牛ではマシになるかもしれませんが、遅いので行軍速度が遅れます。」

「確かにな。しかし、牛の方が力持ちだ。そして、馬の方が安価だ。それで早い。そうだ!馬を改良すれば良いのではないか。そうすれば持ち運ぶことが可能であろう。」

「確かに!」

「少しツテを使って、良き馬を探してみる。」

「はっ」

「大砲の作成も頑張ってくれ。ある程度できたら軽量化も試す必要がある。」

「はっ」

結構技術が進んでいるようで本当に良かった。






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