第48話
僕は父上の元をさると、旅装を解かずに、馬に乗って工房に向かった。報告を聞くのが楽しみでたまらない。半刻ほどかかるが、僕は気にしない。工藤昌豊と竹千代が急いでついてきていた。昌豊は護衛として、竹千代は小姓としてだろう。まあ一応帯剣しているし、今川家嫡男を狙う馬鹿者はいないはずだ。僕は民衆にも結構人気だし。
僕が工房街に着くと少しザワザワしていた。普段、僕は呼び出すしな。
「若殿、よく参られました。」
「喜一郎、出迎えご苦労」
「若殿、旅装で参られるとは何故ですか?」
「研究の進歩は気になってな。」
「それでしたら、あの部屋へご案内いたします。」
僕は地下に降りると奥深くに連れて行かれて、重厚な扉の部屋があった。
「こちらは機密情報の交換などに使われる場所です。」
「そうか。」
「部屋に入ると設計図とかがあった。」
「若殿、飛行機に関してですが、少し進歩しまして、鉄の塊を変形して、このような模型のものを作りました。」
「ほう、それで?」
「プロペラをつけたところ、実際に飛びました。」
「そうか!実戦投入に近づいてきたな。」
「はっ、それが現在できている全部ですが、ガラスとやらいう西洋のものを使用することを考えています。しかしそうすると製造費がとてもたかくなってしまいまいまして。」
「わからぬが、新たな素材を作れば良いだろう。」
「確かに」
「骨は使えないだろうしな。何かないのか?そうだ!燃える水をどうにかできないか。」
「試してみます!良いアイデアですね。ガラスは簡単に割れるため問題だったのですよ。燃える油は確か安房で取れたはずです。」
「そうだな。採取を命じ、与えよう。」
「ありがとうございます。飛行機は今、武器の取り付けなども考えていまして。投下することで爆発する火薬の生産をするための研究も行っています。」
「爆弾か。」
「はっ、それを敵軍の頭上や城の上に落としたらかなり有効かと思いまして。」
「確かにそうだな。その研究もっと進めていけ。燃える水を使うのが良いかもしれぬな。」
「はっ、試す価値もありそうですね。若殿の提案により、成功した事例がかなり多いので、若殿の申したことを試してみます。」
「そんなに期待されても困るのだが。まあ良い。飛行機の作成が順調に進んでいるようで何よりだ。」
「しかしもう少しスピードを上げたいなどありまして。今はプロペラですが、何か燃料を使うことにより、上手くなるのではとみています。」
「うむ、燃料を使ってプロペラを回せばどうだ?方法はわからぬが、早く周り、重くても速さを確保できるのでは。」
「確かにそうですね。そのシステムの開発を進めてみます。」
「頼む。飛行機はかなり順調に進んでいるようだな。」
「はっ」
いろいろ進んでいるようで本当に良かった。次は大砲のことを聞くか。まだまだ気になることがあるし、頑張らなければ。
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