第47話

そして、僕は半年ぶりぐらいに駿府に戻ってきた。こんなにも離れていたことは人生で初めてだ。駿府は平和で、栄えていて、僕が大好きな軍関係の研究用工房も郊外にあって、最高な場所だ。やっぱり、武器は最高だ。剣とかではなく、銃や戦車、戦闘機こそが男のロマンで最高なものだ。僕は前世から軍が大好きで将来の目標は防衛大学に入って幹部自衛官になることだったからな。結局高校生で死んでしまったみたいだけれども。なんで死んだのか気になるなあ。

「若殿、おかえりなさいませ。太守様が首を長くしてお待ちです。京においでである若殿が大変心配だったようで。京は様々な思惑が渦巻く危険な場所ですから。」

「そうか。父上に某は無事だということを見せなければ。」

「はっ、案内いたします。」

父上に所に着いた時、父上はウロウロしていた。

「父上、どうされましたか?」

「彦五郎!無事で良かった。心配でたまらなかったのだ。」

「そんなに心配なさることではないと思いますが。」

「父の心情というのはわからぬものだ。まあいずれわかるであろう。無事でよかった。」

「それで、無事に勝ちました。義兄上から若狭、近江、飛騨の守護に任じられたのと加賀、能登、越中の一向一揆を鎮圧してほしいと頼まれました。それと京都に今川家が兵士を置いて、警備などを行うことになります。また、土地を当てられて、屋敷を作るようにとの命令、いやお願いをされました。」

「そうか。早急に行おう。すぐに材料などを用意させる。それと其方が設置した各国の軍は基礎訓練を完了したぞ。」

「それはよかったです。父上、今川領内にての一向宗の信仰を禁止しましょう。一向宗は厄介であり、何か敵と戦った時に煽動されては困ります。早急に排除するべきかと。既に、暮らしは豊かになっていて、一向宗の門徒、並びに勢力は減少傾向ですが。税を払わぬのも許せませんし。」

「そうだな。一向宗を禁止しよう。もし大規模な騒乱が起こるようなら、こちらから兵を派遣して滅ぼすか。」

「はい!それと海軍の改革などを始めたいんですが。」

「そこは好きにしていい。其方の発想力は余を超えている。軍事関係でも戦でもそうだ。常識に囚われない方が楽に勝てるからな。尾張でそれを証明した。そして蒔いた種は自分で回収している。彦五郎はすごいな。余では敵わない。敵わないところは任せる。」

「はっ」

「その奇想天外な発想力と、すごい膨大な知識で、今川家を発展させてくれ。異、南方の国の言語も読めるらしいしな。どこで勉強したのかが謎だが、まあ其方なりの考えがあってのことであろう。頑張れ。」

「父上、ありがとうございます。研究班と会ってきます。」

「少し待て、まあ無駄か。彦五郎は武器が好きみたいだしな。」

どんだけ研究が進歩しているのか楽しみだ。父上も僕がこういうのを好きなのを理解しているようだしな。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る