今川彦五郎(独身)
第3話
僕が自分直属の家臣などを持つようになって、7年経った。僕は現在13歳だ。父上に呼ばれたため急いでいる。
「父上、龍王丸只今参りました。」
「龍王丸、そなたにつたえることがある。1週間後、元服の儀を行う。烏帽子親は私が行う。」
「了解しました。」
「後元服後の宴にて、其方を次期当主と正式に発表するゆえ、励め。」
「はっ」
僕は父上の元を下がった。そしてついに1週間が経った。それは1551年3月5日だった。運良く快晴で父上も母上も喜んでいた。僕には弟と妹もいるが僕はほとんど会ったことがない。
僕は朝から直垂を初めて着せられて、家臣団の前に行った。そしたら髪などを切られて、成人の証で前髪がなくなった。そして髪を別の家臣がゆって父上が烏帽子を乗せてくれた。この儀式自体は結構すぐに終わった。
「龍王丸、元服おめでとう。龍王丸、これより、今川彦五郎氏真と名乗れ。氏は今川家の通字、彦五郎は代々の嫡男と当主が名乗っている名前だ。」
「はっ龍王丸改今川彦五郎氏真これより励みまする。」
「うむ。もう一つ、彦五郎を我が嫡男、次期当主と正式に指名する。これよりは評定にも参加するように。」
「はっ」
僕は史実通り今川氏真となった。そしてその後すぐに宴が始まったのだが、それが辛かったですみんなすごくお酒を飲むのだ。僕は前世と今世を通してお酒は初めてだから、あまり飲めなかったし、味が嫌いだった。だからほんの少し飲んでだけでやめた。
そして次の日、評定が行われて僕も参加した。今川家の家臣は常に駿府にいるわけではないから、集まっている時にやることになったみたいだ。僕は父上に連れられて、父上の隣に座った。
「皆の衆面をあげよ。昨日の元服の儀で言った通り、龍王、嫌彦五郎だ。彦五郎挨拶せよ。」
父上は僕の幼名といい間違えていた。
「はっ。父上の紹介に預かりました、今川彦五郎氏真です。よろしくお願いします。」
「では評定を始めようか。」
表情では色々な話をしていたが、特に気になったのは尾張攻めだった。
「父上、尾張のことで」
「なんだ。某がが初陣として尾張攻めをしとうございます。」
「しかし織田信秀は強い」
「父上、お願いします。」
「彦五郎には絶対勝てる戦を行って欲しいのだが。まあいいか。わかった。尾張を攻めよう。彦五郎がその指揮を取る。皆のものわかったな。」
「ははっ」
そしてその後、多くの家臣が集められた。
「皆に命ずることがある。彦五郎の初陣を行う。その補佐に太原 雪斎、岡部元信、鵜殿長輝、朝比奈泰知、三浦正俊、関口氏広がつけ。また、彦五郎の直属の家臣団も出撃する。もちろん総大将は彦五郎だ。」
「「「「「ははっ」」」」
こうして僕が尾張に攻め入ることが決定した。織田信長が成長する前に倒す必要がある。そうでないと父上が殺されるかもしれない。だから僕は早めに尾張を叩き潰す。昔は信長を応援してきたがこちらに転生してわかった。父上は名君だと。そして僕は流浪の身になりたくない。だったら先に潰すべきだ。問題は美濃のマムシと織田が同盟を結んでいることだ。だから僕は密使を斉藤義龍に送ることにした。道三に対してクーデターを起こせと。そしたら美濃は動けないはずだ。あとは織田信秀と敵対している清洲と岩倉の織田家にも使者を送ろう。共に信秀を倒そうと。
「角田、君川おるか?」
「「はっ」」
「尾張に行け。余が書いた書状をそれぞれ清洲と岩倉に見せよ。」
「「ははっ」」
「これを持ってすぐに向かえ。岩倉と清洲を動かし、信秀と戦わせる。其方らは密使だ。」
「「すぐに行きまする」」
「うむ。あと福島も呼べ」
「こちらに。」
「福島は斎藤義龍にあってこい。」
「はっ。道三と戦わせるのですか?」
「そうだ。この書状を一様渡す。尾張から援軍が来ない今こそ、義龍のクーデターが成功しやすいしな。」
「わかりました。いってまいります。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます