第4話

美味しいご飯に眺めの良い露天風呂、涼しいお布団環境。

そうなると可愛い子は、眠そうに瞼をゆらゆら開け閉め開け閉め。

可愛いなぁ。

俺は明日この子に着せる洋服を急いで繕いながら声を掛けた。


「先に寝てな、俺もこれが終わったら寝るから」


俺の洋服を可愛い子サイズへとチックチック高速で仕立て直す。

俺ってばなんでも出来るのですよ。

ちょっと泣けない位で、万能なんですよ。

全部、可愛い子の為に見に付けたスキルですけど何か?


「むにゅ…いやです…しょやです…」


俺の寝間着なので肩がずり落ち動きにくそうだ。

眠気も強いのか、動作はもそもそ遅い。

だけど、絶対俺と初夜したいマンと化して、俺の右肩に擦り寄り甘えてくる。


「なんだ、赤ちゃんか」


「はぃ…」


「赤ちゃんはもう寝ないと」


「おとなです、しょやです…」


「やれやれ、仕方ない」


いや真意じゃないよ?

建前が、ほら、居るじゃん。


これを見つけ育み慈しみ、愛した。

最初はカワイソウから。

最後は熱愛に焦がされ諦めた。


今、また、手の内に。

もう俺の俺だけの可愛い子。


「いつから俺のこと好き?」


「さいしょにひろっていただいたときからずっとすき…」


夢見心地、といった顔で声でそう答えた可愛い子。

次の瞬間こてりと頭が落ちた。

ついでに体も倒れたので、そっと支える。


「はぁ…やれやれ…仕方ない…」


残念が全面に出て、心の底からそう言ってしまう。

それでも膝枕の上に頭を運び、ガウンを身体に掛ける。

すよすよ、気持ちよさそうな寝息。

可愛いなぁと頭を撫でる。

十分なでなで、堪能した俺はチックチック、夜なべを再開した。

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