第3話

「お前が、邪神……!」


ここも!


「貴方が邪神ですね!」


ここも!


「てめぇが邪神か」


ここも!


征く先々に勇者を名乗る奴らが居る

なんでだ?俺はむしろニャルの企みを打ち破り

クソみたいな因習を断ち切った英雄だぞ?


う〜ん、どうしよう

……もうこの際最初の誤解は諦めよう、俺の強さなら勇者達に遅れを取ることもないだろうしな


つまり俺がやるべきは説得、逃亡していてはいつまで経っても先に進めないと言う訳だ


さぁ来い!俺は清廉潔白な人間だぞ!


「邪神!死ねぇ!」

「まぁ待て、俺は邪神では……」

「問答無用!」


普通無抵抗の人に容赦なく剣を振り下ろすか!?

危ない、もし俺が一般人なら死んでいたかもしれないぞ……


「ちょっ、話聞けって!」

「貴様の言うことには耳を貸さん!」


わかった!じゃねぇよ……

なんで?なんで俺をそこまで目の敵にするの?


「……よし、ならこっちにも考えがある、まずボコる話はそれからだ」


オラァ!俺の強さは加護だけじゃないって所を見せてやるぜ!!!


喰らえこの拳を!そして見ろ!このSTRを!

ダゴンもびっくりの威力だぞ!


「ゴハッ……流石邪神……!」

「だから邪神じゃねーって!あいつらなら今頃お前は屍じゃい!」


「つまりお前は邪神ではなく邪神側の加護持ち、ということか」

「あ?あ〜、まぁ成り行きだけどそうなるな」


「そうか、なら貴様は生け捕りだ、大聖堂にて聖女様と話して貰わねばならぬ」

「え?なら良いわ、じゃあ大聖堂って所までの道を教えてくれ、付いて行くから」


「ふっ……信用できんな、気絶してもらうぞ」

「えっ、いや……やめたほうあっ!?」


馬鹿!あーあーあー

忖度した空間にボコられてるよ


流石に空間相手には分が悪かったか……

……お前らがボコったんだから大聖堂の場所教えろよ空間共


……はいはい、そこら辺ね、オッケー窮極


ーーー


「……貴方が邪神ですか」

「違うね、俺は被害者だ」


「ふむ……でしたら何故勇者アトラクを倒したのですか?」

「そりゃあ問答無用で襲い掛かって来たからな、空間が忖度して気絶させちまった」


「……!神の守護、貴方はそれ程までに神に愛されているのですか……!」

「いや〜うちの神様が強いから凄い忖度してるだけであの公平なヨグ様の事だし平均かそれより少し上位の加護だと思うぞ」


……いや、お気に入り補正もあるし、もう少し上?どうだろう、お気に入り補正あるか……?


「そうですか、では何故貴方はそんなにも沢山の邪神の加護を?」

「そうしないと生き残れなかったしな、それに本気で力を貸してくれたのは少ないだろ?」


「……そうですか、つまり貴方は邪教団に攫われた一般人であると?」

「違う、俺が攫われたのは邪神そのものだ、だからこそ態々加護が必要になったんだよ」


「……邪神そのものに攫われた、ですかならばその邪神は何処に?」

「帰らせたよ、色々あったからな」


「色々?」

「ああ、そうだよ神としての在り処を歪ませたり

妻が帰りを待ってたり、最初から帰りたがってた奴だったりの理由だ」


「では、邪神はもう来ない、と?」

「いや、う〜ん、それはまぁ来るんじゃない?」

 

「何故!?帰らせたのなら……!」

「いやぁあいつら一枚岩じゃないし、恐怖で従わせてるだけの奴らだから絶対こっち来る邪神居るぞ」


「例えば……そうだな、俺を憎んでいるような……

あ、そうだ、ハスターとか来るかもな」

「ハスター!?その名は予言で聞いた……!」


大きな地響きがする、察したのでとりあえず修道女さんを連れて窮極の門でハスターの所まで行く


あ、勿論精神を守る呪文を掛けた状態でね?

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邪神の生贄になった俺、色々あって戻ってくる 龍百 @ryu_100

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