第20話 俺と熟女が選ぶ道

 そこそこ広いホテルの部屋は、すっかり熱気に包まれていた。


「ハァ、ハァ、ハァ……」


 ベッドの上で、玉枝たまえさんが裸でうつぶせのまま、吐息を弾ませている。


「あの、大丈夫ですか?」


「……あたし、体力にはけっこう自信がある方だったんだけど……まさか、こんなにクタクタにされるなんて……」


「ごめんなさい……ちょっと、やり過ぎました」


「ううん、良いの……むしろ、嬉しかったよ。ノリ坊みたいに若い子が、こんなおばさんを相手にハッスルしてくれちゃって」


「いや、ハハ……」


「ううん、違うな……若いからじゃなくて、ノリ坊だから……好き」


 ドクン、と胸が高鳴る。


 この人、可愛いな。


「玉枝さん、あまり可愛いことを言わないでください。また、元気になっちゃいますから……」


「良いじゃん。そのビッグマグナム、またあたしにぶち込んで?」


「クッソえろっ」


 その後、5回戦くらいした。




      ◇




 最高の快楽の後に押し寄せるのは、言いようのない後悔と罪悪感。


「ハァ……」


 好きな人たちと待ち合わせているのに……憂鬱だ。


 いや、だからこそ、なのだ。


 玉枝さんとホテルでめちゃくちゃシた後。


 我に返った俺は、は悩んだ末に……志津子さんに正直に話した。


 当然、めちゃ怒られて、今度こそ別れを告げられるかと思ったら……


『3人で話しましょう』


 と、提案して来たのだ。


 そしていま、俺はその待ち合わせ場所に向かっている。


 静かな雰囲気の純喫茶。


 カラン、カランとベルを鳴らして入ると。


 奥の方の席に、すでに彼女たちがいた。


 素晴らしい美熟女2人が、となり合って座っている。


 まさに、絶景……なんて、言っている場合じゃないか。


「元則くん、いらっしゃい」


「あ、はい」


 志津子さんに言われて、俺はおずおずと腰を下ろす。


「ノリ坊、顔色わるくない?」


 玉枝さんがからかう。


「いや、だって……」


 俺がモジモジしていると、


「あれから、南条さんとも話したの」


 志津子さんが言う。


「そっ。で、あたしらなりに、結論を出したんだ」


 玉枝さんも頷く。


「はい」


 俺はピシッと背筋を伸ばした。


 例え、どんな辛いアンサーが出ようとも、俺は……


「私は人妻。だから、こんな関係は許されない」


「右に同じく」


 ああ、やはり、そうか。


 俺の熟女ハーレムタイムも、ここまでか。


 まあ、短い間だったけど、サイコーだったし。


 もう、悔いはないさ。


「お2人とも、今までありがとうございました。俺、本当に……」


「いやいや、何を言ってんの、ノリ坊?」


「はい?」


「元則くん、最後まで聞いて?」


「あ、はい……」


「私たち、話し合って、覚悟を決めたの」


「覚悟……ですか?」


「私は旦那を大切に思っている……もちろん、娘のことも」


「右に同じく」


「でも、もうどうしようもなく……元則くんが好きなの」


「おふっ……」


「あたしも、ノリ坊にゾッコンなんだよ……マジで」


「なんと……」


「だから、いけないこととは分かっていても……これからも、元則くんと……お付き合いしたいの……恋人みたいな関係で」


「マ、マジっすか……」


「で、あたしら、ノリ坊をシェアすることにしたから」


「シェ、シェア……?」


「うん。あんたは今日から、あたしらのシェア彼氏ね♡」


「え、えぇ~? 俺にそんな、2人の相手が……」


「大丈夫っしょ、ノリ坊なら。めちゃデカ◯ンだし。ねぇ、来栖さん?」


「そうね……元則くん、ダメかしら?」


 と、可愛い美熟女さんに、可愛くお願いをされたら……


「……分かりました。精一杯、ご奉仕させていただきます」


「そんな、ご奉仕だなんて……むしろ、私の方が元則くんにご奉仕したいから」


「し、志津子さん……」


「来栖さん、清楚なくせに、エロいな~。こりゃ、あたしも負けてらんないね」


「た、玉枝さんまで……」


「じゃあ、そういう訳だから……これからも、3人で仲良くしましょうね?」


 志津子さんが笑顔で言う。


「は、は~い……」


「ひひっ、ノリ坊、ふやけた顔しちゃって」


 玉枝さんがまたからかう。


 もう、幸せすぎた。







次回予告


 志津子、玉枝と3人でいちゃラブすることが決定し、夢の熟女ハーレム王へ大きく前進した元則。


 そして、そんな彼の前に、新たなる真ヒロインが登場する。


『すげえ、あの志津子さんよりも……デカい』


『もーくん、おいで?』


 作中最大バストのおっとり美熟女に、元則はまたもギン立ち?


 乞うご期待!







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