第96話茜の回復 直人の悩み

直人を抱いた茜の身体に、驚くべき効果が出た。

極度の拒食症はすっかりなくなり、18歳の普通の女性と同じカロリー摂取量に。(以前は、食べても500がせいぜいだったから)

気力も充実、直人たちとの多国籍茶店に積極的に参加、手伝うようになった。

(並み居る名門貴族の少女たちにも、全く臆することはない)


それと直人自身は感じていないようだが、聖女神アフロディーテの寵愛と「神の乳」の効果は、直人の身体にも現れていた。


「輝いているような」

「さわやかな甘さ、そんな香りが、ずっとしている、香水持っていないのに」

「見飽きないなあ・・・あの子」

「早く抱きたい、ムズムズする、すごいフェロモン」

「黙ってテキストを読んでいるだけなのに、そそる」

「プールで見たけれど、身体が輝いていた」

「抱ける順番は・・・3か月後だって、厳しいな」

・・・・


直人の人気が高まる中、沢田副支配人は、直人の心理が心配だった。

以前より、沈んだ顔になっているからである。

「ねえ、直人君、辛いの?」

「女性のお相手は、好きでないの?」


直人は、笑って首を横に振った。

「女性のお相手は、アフロディーテ様との約束」

「好きも嫌いも無い、誠心誠意尽くします」

「何も心配しないでいいですよ、エロスも無限とか」


沢田副支配人は、直人の返事には、納得しなかった。

「ご家族?今は無理だよ」

直人は、それにも首を横に振った。

「アフロディーテ様は、長生きと永遠の若さを約束してくれたので・・・いつか逢えるとも」


直人は、夕焼けに赤く染まる紀州の海を見た。

「強いて言えば・・・恋愛をしたいなあと・・・交情とか、肉体レベルの愛の前に」

「でも、そんなの無理ですよね」

(実に寂しい顔、沢田副支配人は、そう感じた)

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