第80話ソフィは直人に夢中
私、ソフィにはブルボンの熱く高貴な血が流れている。
フランス革命とやらの暴徒の犠牲になった先祖の悲惨な最期も、確かにある。
しかし、よく考えて欲しい。
ルイ14世時代に代表される、太陽の如くの華やかさを。
人類史においても、あれほどの輝くような豪華さは、稀なのではないだろうか。
(国民の悲惨な犠牲の上に成り立った豪華さであったとしても)
ベルサイユ宮殿を始めとして、今でも世界中の人々の感激を呼ぶ見事な宮殿建築群。
そして、崇高な美術作品の収集、上品で華麗な服飾文化の興隆他芸術への熱い尽力そして効果は計り知れない。(情けなくも王政を捨てたパリ市民とて、どれだけ、その恩恵を受けているのか、もっと感謝されるべき熱く高貴な血統なのである)
しかし、そんな熱く高貴な熱い血が流れる、私ソフィは、東洋の小国日本の平民の子、直人に夢中になってしまった。
何故、夢中になってしまったのか?
直人の悲しい事情に、同情を覚えたことは、事実。(憐れみ深い王族の血である)
そして、直人の美しい容姿も、否定できない。(肌が美しい、目が大きい、15歳くらいに年下に見える、童顔で愛らしい顔だ)
何より、私や、先に直人を求めたハプスブルグ家のマリー、そしてヴァロワ家のカトリーヌに対して、全く物怖じしない胆力と、指導力だ。
何しろ理路整然と、テキパキ指示して来るのが、思いがけない快感だ。
(珈琲豆と紅茶葉、器具の整理整頓の時は楽しかった)
(直人の指示が的確で、最初は、動くままだった)
(その後は、女子たちで相談して別の案、直人をやりこめたこともあった)
(直人の苦笑いが、面白かった)
今までは、全てメイド任せだったので、自分で動いてみると、実に楽しいのだ。
珈琲や紅茶を丁寧に、自分で淹れる。
上手に淹れられた時の快感は、格別。
今は、メイドより主人が上手なのは、当たり前とまで思ってしまう。
直人がホームシックにかかった時は、寂しかった。
家族といきなり離されて、全く違う環境で生活も、辛いだろうと思う。
女子たちは、相談して、直人に無理強いはしなかった。
(沢田副支配人から、あまり無理なことをすると、EDになると、警告もあった)
その直人は、ようやく家族とのオンライン面会を許された。
(ウィルスとか、セキュリティーの管理も厳しく、難しいのだ)
「おそらく、それで回復する」と沢田副支配人が言っていたので、直後に直人を予約した。
とにかく、私の身体が限界。(直人を欲しくて、抱きたくて、眠れなかった)
・・・今は、こうして直人を抱いている。
胸が好きなようなので、しっかりと、その小さ目の顏を押し込めた。
「ねえ、直人、美味しい?」(言葉責めも快感)(直人は、また元気になった)
「埋もれるよ、ソフィ」(胸の中でしゃべるから、くすぐったいよ)
「直人も、美味しいよ」(本音だ、もっと欲しい)
「待たせてごめん」(泣けることを・・・)
その後は、思いっきり直人を抱いた。
身体の続く限り、直人を求めた。
甘く熱い至福の時が続いた。
満足して、二人裸で、紀州の青い海を見ている。
「直人、ごちそうさま」(本音だ)
「ソフィも天使のような」(え・・・上手いなあ・・・また欲しくなる)
「私、何度も天国にいったよ」(直人の方こそ、天使だよ)
「いつかはベルサイユに行きたい」(いつかは・・・今は難しいよね)
「このホテルに、ベルサイユの一部を模したスペースがあるの」(ベッドもあるし)
「ご案内願います」(了解しました!)
「直人の身体が、案内料だよ」(本音が、また出た)
「え?」(その丸い目がいけないの)(すごく、食べたくなるよ)
結局、また直人を激しく抱いた。
私の身体も、直人フェチだ。
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