第74話お昼は丼物専門店 エリザベスとまさかのブルボン家、ヴァロワ家も参加
直人はピアノの練習を2時間で終えた。
時計を見ると、午前11時。
南陽子が、直人の腕を揉みながら、聞いた。
「直人様、お昼は、ご希望はございますか?」
直人は、あまり食欲を感じない。
(毎日の「行為」で、身体の芯が疲れている)
「とにかく、軽めにしたい」
「和食かな、普通に簡単に食べられるもの」
杉本瞳が、案を出した。
「トロロとマグロのお丼とか」
直人の表情が変わった。
「そこでいい」
「丼物のお店もあるの?」
南陽子は笑顔。
「丼物専門店もございます」
「本当に種類も多く」
直人と二人のメイドの話は簡単にまとまった。
ただ、部屋を出た直後、杉本瞳のタブレットに連絡が入った。
杉本瞳
「エリザベス様が、お昼をご一緒したいとの、ご希望ですが」
直人は、即答。
「丼物を食べられるなら、ご一緒します」
(実は、期待していない)
エリザベス側からの返事も早かった。
杉本瞳は、苦笑い。
「もう二人、来たいとのことです」
「ブルボン家のソフィ様とヴァロワ家のカトリーヌ様」
直人も、苦笑い。
「面白いね、そんな高貴な一族の末裔が、日本の丼物とか」
「何とかします」
一階の丼物専門店に入ると、すでに、エリザベスと二人の少女が待っていた。
(エヴァは、直人の顔を見て、その顔を赤らめた)
南陽子が、直人の脇をつついた。
「エヴァさん、直人様に惚れたそうです」
(直人は、聞き流した)
丼物専門店の内装は、やはり和風(昭和レトロ風)で、すこぶる庶民的。
大将(店主)が出て来て、別室(10人くらい入る)に案内された。
(やはり、ブルボン、ヴァロワの高貴な家柄に配慮したようだ)
全員が席に着くと、エリザベスがソフィ(ブルボン家)とカトリーヌ(ヴァロワ家)を紹介。
(二人とも、実は従姉妹で、18歳と17歳だった)
ソフィは、丸顔。小柄。
「人気の高い直人君に会えて、丼物に挑戦も楽しいかなと」
カトリーヌは、やや細身。
「実は庶民の料理のほうが美味しいと思うの」
直人も自己紹介。
「直人と言います」
「まさか、ブルボン家とヴァロワ家と、丼物を食べるとは・・・予想できなくて」
エヴァが、事情を説明した。
「実は、エリザベス様とも懇意で、情報交換も頻繁です」
「直人様の丼物のお昼の話になったら、すぐに参加したいと」
エヴァの話が長くなりそうなので、直人は手で制した。
「まずは、注文しようよ」
「僕は、マグロ山かけ丼」
エリザベスはメニューを見て、笑顔。
「鰻丼・・・美味しそうでヨダレが出そう」
ソフィ―は少し迷った。
「天丼かなあ・・・天ぷらも日本料理の極みだよね、最強の一つ」
カトリーヌは即決だった。
「情報では、かつ丼最強だよ」
直人は、目を輝かせて笑った。
「まずは食べて見ましょう」
「美味しく食べるには、ガツガツ食べるのが秘訣」
「上品に食べるより、美味しい」
女子たちの目が全員、輝いた。(直人の言葉で食欲が増したようだ)
エヴァは、直人を眩しそうに見つめている。
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