第70話夕食は、お寿司を車座で

夕食は、大きな丸い寿司桶に、美しく盛りつけられた新鮮なお寿司。

そして、直人が望んだ静岡茶(川根茶)。

メイドも一緒に、丸い卓に着いて食べる。


直人は、さわやかな笑顔。

「仲直りには、お寿司かなと」

エリザベスは、寿司桶を見た瞬間から、うれしそうな顔。

「こう、キレイに並ぶと、また別の食べる喜びかな」

エヴァも、すっかりアクは取れている。

「芸術的な並べ方ですね、魚の色も、並べ方に入っているのかな」


杉本瞳が簡単に説明。

「色が濃いほうが、味が濃いのが一般ではありますが」

「魚それぞれの旨味も違いますので、それもお楽しみを」

南陽子は直人を目で促した。

つまり、早く食べたいとの意思。


直人が、まず手を合わせ「いただきます」をすると、全員が自然にならった。


エリザベスは、イカを取った。

「味の薄いものからだよね、直人」

直人は、カッパ巻き。

「うん、そのほうが、脂が少ないし」

「味が濃いとか、脂が濃い魚とかネタは、後の方に、が基本」


エヴァは、鮮やかなピンク色のサーモンに目がいっている。

「サーモンまでの道が遠いかな、でも、美味しく食べたいから」


杉本瞳

「軍艦巻きも多いですね、ウニ、いくら、これは山芋と納豆?」

南陽子

「納豆は、美味しいですよ、この食べ方でも」


直人は梅紫蘇納豆の軍艦巻きを口にした。

「懐かしい、これ好きなの、日本人の味覚の結集の一つかな」

エリザベスと、エヴァもつられて、直人と同じものを口にした。

エリザベス

「う・・・いろんな刺激もコクもあって、これ・・・後を引く、美味しい」

エヴァ

「寿司も多様性があって、日本文化も多様性ですね、美味しいです」


杉本瞳

「使う文字も、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、アラビア数字、ギリシャ数字」

南陽子

「絵文字、顔文字もありますし・・・スタンプも文字なのかな」


直人は静岡茶(川根茶)を口にした。

「うん、さすがに、美味しい」

「深み、甘味があって、スッキリ」

エリザベスが直人に聞いた。

「茶畑とか、行ったことあるの?」

直人

「うん、子供の頃、静岡に親戚があって」

「途中、東名の富士川あたりで、富士山を見るのが大好き」


杉本瞳が、サッとタブレットで、富士川から見た雪をかぶった富士山を見せる。

エリザベスの顏が、パッと輝いた。

「これは・・・いい・・・部屋に飾りたい」

エヴァは、杉本瞳に頼んだ。

「今夜にでも、その作業を」(杉本瞳は、頷いている)


南陽子が、笑顔。

「やはり、寿司桶を囲んで食べるのは、楽しいですね」

直人

「そうだね、回転寿司とか、カウンターとか、普通のテーブル席で各自、とは違うよね」

「いろんなお寿司を食べながら、自然に話がはずむ」


エヴァは、食欲が止まらない。

「しかし、この鯛・・・身がきれいで・・・うん・・・美味しい」

エリザベスも食欲が爆発気味。

「最初見た時には、食べきれないと思ったけれど」

「この・・・ウニの軍艦もいいね」


直人は、蒸し鮑をしっかりと噛んで食べる。

「鮑も、噛むごとに、旨味が出る、貝ならではだよ」

杉本瞳が直人をつついた。

「桑名が近いので、焼き蛤も出したいとか、職人が申しておりますが」

南陽子は、食べたそうな顔。

「注文しても?」


直人は、断れなかった。

「食べたい時が美味しい時」

「でも、体重計は乗れなくなるよ」

(女子全員が大笑いになってしまった)

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