第64話アメリカ超巨大軍事起業家の娘エリザベス①

ケイトが姿を消すと、また別の若い白人女性が、直人の前に来た。

とにかく大きな女性だった。(身長は180㎝を越えているような感じ)

胸も腰も、「マジ?」と思う程に発達しているが、脚はスマート。

顏は、可愛らしいので、まるで、「超一流グラビアモデル」そのものだった。


「お隣、いいかしら」(流暢な日本語だった)


「ああ、はい」

直人は、拒む理由はない。

(杉本瞳と南陽子は、素早く自分たちが寝転んでいたプールサイドチェアを動かし、別のプールサイドチェアを直人の隣に置いた)


「エリザベスとだけ」

その若い白人女性はプールサイドチェアに寝転びながら、自己紹介。


直人も自分の名だけを言い、「エリザベス」の「出方」を少し待つ。


「きれいな海ね」

エリザベスは、窓一面に見える、紀州の青い海を褒めた。


「確かに、眺めは最高の部類に入ると思う」

直人は、慎重に(無難に)エリザベスに応じた。


「ここに来て、一週間くらいなの?」

エリザベスは、直人を見た。


(直人は、知られているのかな、と思ったけれど、ここでも慎重に返す)

「そうかな、あっと言う間に」

「自分でも、曜日の感覚がない」(本音だった)


「私は、ニューヨークからなの」

「でも、12歳から、ここに来て、もう6年」


「そうなると、ここにも詳しいのかな」

「僕は、まだまだ、どこに何があるのか」

「一人で歩けば、すぐに迷子」


エリザベスは、笑った。

「確かに、迷路のような階もあるよ」

「モロッコの旧市街を模したような」

「それとか、アマゾンのジャングルみたいな階もある」

「とにかく、いろんな国の場所を模した階があるの」


直人は、エリザベスの説明に、興味を覚えた。

「ありがとう、明日でも、探検してみます」

そこまで言って、アイスティーを口に含んでいると、エリザベスが直人に、また話しかけて来た。


「ねえ、これから、ご一緒しない?」

「私、あなたとお話したいの」


杉本瞳と南陽子が、さっと直人の横に来た。

「直人様、問題ありません」、「そのまま、受けてください」

と言って来たので、直人は頷いた。


「まだ、専属メイドに教えてもらわないと、何もわからない時期です」

(素直に釈明した)


エリザベスは、直人を見て、にっこり。

(直人は、大輪の花が開いたような、輝く美しさと、思った)

「今から、私のお部屋でいい?」


直人は、少しためらった。

間をもたせようと思った。

(いきなり、初対面の女性の部屋に入るのは、気が引ける)

「できれば、もう少しプールにいたい」

「ここの夕焼けを見たいなあと」

「ご一緒します?」


エリザベスは、赤い顔で、頷いている。

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