第60話マリアの変化  沢田看護師は「副支配人」に

二人は、また、あおむけになって、生まれたままの姿で、手をつないでいる。

直人が見るマリアの顏は、最初見た時とは、全く別人。

かなり高慢だった顏は、花のように可愛らしい。


「直人を抱いて、直人に抱かれて」

「思いっきり、弾けた感じ」

「今までの嫌な思いが、砕けたの」

「直人の爆発で、全部・・・だって激しくて、気持ちが良くて」

「あの瞬間は、もう・・・天国のお花の甘い蜜に満たされた感じ」


直人は、聞いていて、実に恥ずかしい。

(マリアが言うままに、させているけれど)

(やはり、放出が多過ぎて、身体の芯が重い)


結局、マリアは、直人の部屋(大きい方の部屋)に一晩泊まった。

寝る前も、目覚めた時も、また直人を求めた。

直人も、懸命に応えた。


朝食(牛乳、パン、サラダ、スクランブルエッグとベーコン)を直人以上に食べ、マリアは自分の部屋に戻っていった。

(別れ際にも、ものすごく強烈なハグとキスの嵐だった)


直人が、身体の内奥からの疲れで、ソファに座っていると、杉本瞳と南陽子が入って来た。


二人とも、直人に深く頭を下げた。

杉本瞳

「マリア様があんなになったのは、直人様が初めてです、ありがとうございました」

「しっかり抱いていただいて、マリア様も喜ばれて」

南陽子

「さすが直人様です、また、すぐに、ご指名がかかるでしょう」

「あの感じでは、マリア様が待ちきれないかと」


直人は、そのご指名に疑問。

「全てアフロディーテ・ホテルの巨大コンピューターが、女性とのカリキュラムを組むと聞いたよ」

「個人の希望も組むの?」


杉本瞳が答えた。

「一定程度は、個人の希望も勘案されます」

「もちろん、その順番もあります」

南陽子

「すでにサラ様、香麗様、田村涼子様は、予約済みです」

「今までの全員です」


直人は、質問を変えた。

「マリアが長い関係とか言っていたけれど、意味がわからない」

「支配人がどうとか」


直人の部屋のドアが開いて、沢田看護師が入って来た。

ただ、ナース服ではない。

ホテル・アフロディーテの制服、しかもかなり上質な制服に着替えている。

もっと驚いたのは、胸に「副支配人」のプレートを付けていること。


沢田看護師は名刺を直人に差し出した。

「看護師から出世して、副支配人になりました」

「よろしくね、直人君」


直人は、「はい」と神妙な顔。(どうしても年上美女には弱い)


「それでね、直人君」

「沢田副支配人」は、直人の隣に、やや密着して座った。


「何でしょうか?」(直人は、固まった・・・身体を少し離した)


沢田副支配人は真面目な顔になった。

「そう、逃げないの」

「さすがに制服では、襲わないから」(杉本瞳と南陽子は、笑っている)

「直人君にお願いがあるの、提案かな」

「日本政府と、ホテル・アフロディーテ本部からの強い希望でもあるの」

「正式には、内閣官房と、ホテル・アフロディーテ本部も来て、直人君と書面を取り交わすよ」

「今日は、内々に直人君に、概略説明をしたいの」

「いいかな?」


直人は、断りようがない。

「まずは、話を聞きます」

ただ、身体に加えて、心にも重さを感じている。

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