第59話ハプスブルグ家のマリアと直人④マリアの強引と不思議な言葉
直人は、マリアと、男女の行為に進む気が全く起きない。
それは、マリアの「ハプスブルグ家に遠慮して」ではない。
マリアの「16歳」という年齢が、やはり「犯罪性」を感じさせてしまう。
何しろ、妹と同じ年齢なのだから、それはしたくない。
マリアは、確かに美少女、身体もそれなりに発達して来ている。
赤の他人は、まぎれもない事実。
しかし、マリアは、どうやら「その気」があるようだ。
身体の密着が、どんどん、強くなっている。
首元に、唇もつけて来た。
「マリア」
直人は、低く、落ち着いた声。
「うん、なあに?」
マリアは、すでに甘ったるい声だ。
おそらく「何か」を期待していると思った。
「抱かないよ、それ、できない」
低い声で、言い渡した。
マリアの手が直人の下腹部に伸びた。
(直人は、何の反応もしていない)
そして、怒った。
「私に魅力がないの?」
「馬鹿にしているの?」(涙を目に浮かべた)
直人は、素直に事情と、思うことを言った。
「マリアは妹と、同じ年なんだ」
「問題は、それだけ」
「マリアは、すごく可愛くて、きれい」
マリアは、納得しなかった。(自分から服を脱いでしまった)
直人の服も、無理やり脱がした。
そのまま、直人に馬乗りになった。
「今さら・・・何よ」
「私は無理やりにも、直人を抱くよ」
マリアは、実に美しい身体と肌だった。
(不覚にも、直人は、反応してしまった)
約2時間が過ぎた。
直人は、マリアを抱いている。
(マリアは、幸せそうな顔)
ただ、直人の心は、罪悪感に満たされている。
「まさか・・・妹と同じ年齢の子を」
マリアは、直人に、再び美しい脚を絡めた。
「関係ないよ、私が直人を欲しかっただけ」
「この年齢の私を抱いて欲しかった」
(言い方が、微妙な感じ)
直人が考えていると、マリアが続けた。
「どうせ、長い関係になるよ」
「直人と関係を持った人は、大人になっても、その関係は続く」
「詳しくは、支配人に聞いて」
直人は、ますます、わからない。
「マリア、何か、知っているの?」
「支配人って何?」
マリアは、答えなかった。
「ねえ、また欲しくなった」
「直人、いいでしょ?」
もはや倫理観も何も無かった。
18歳の少年と16歳の少女は、お互いの身体の欲望にまかせて、求め合うだけだった。
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