第51話私、涼子は直人君を思い切り愉しんだ。

今は・・・二人で、布団の中。

直人君は、私の部屋。

(最初、畳の部屋に驚いたみたい)

(和風の布団も、ほぼ、初めてとか)


「直人君、日本人が畳と布団を忘れてどうするの?」

そのまま、馬乗りになった。(直人君の肩を抑えつけた)


直人君は、表情を変えない。(小憎らしい程、余裕顏)

「襲うのが好きなタイプ?」

(ストレッチで苛めたことを根に持つの?)

(それとも、ジョーク?)


「うん、食べるよ、覚悟して」

「半端は許さない」

(実は元スケバンのメンツもある)

(こういう直人君みたいな賢そうな子が、好みだった)

(でも、食べたことはなかった、子分衆の監視もきつかったから)


思い切り直人君を愉しんだ。

直人君も立派に、求めに応えてくれた。

新鮮な感動というのか、淫靡さが何もなかった。

むしろ、生きること、愛することの幸せまで感じた。

今は、快感が身体を包んで、動けない。

そもそも、腰が抜けた。


直人君は、弱そうで、実は強い男と思う。

この常識とか道徳とか、世間とかけ離れたホテル・アフロディーテで、かなり驚いていると思う。(特に性倫理は)


女神アフロディーテは、美と愛、そして性の女神。

「女性が男性を求める」ことを応援する女神である。

実は超大型コンピューターによる管理システム、カリキュラムシステム。

女性が「男性」を欲した場合に、「男性」は準備されるとも。

(でも、双方の拒否権もある)

その他は、「自由恋愛」は認められている。

問題となるのは、嫉妬から来るイザコザや身体や精神の不調。

(その場合転院措置もある)


直人君を欲しくなったのは、哲学の講義の時。

あんな難しいニーチェの話で、時々目が光る。(高校生にしては稀だ)

私が、何気なく名前を出したヘーゲルにも反応した。

その後の討議でも、私は、マウントを取られた。

(少し悔しかった)

だから、午後のストレッチで、直人君を攻めた。

身体が固くて、苛め甲斐があった。

実際、泣き顔は面白かった。


その後のお風呂でも、攻めた。

(見せつけておいて、見せなさいと)

しかし、直人君は、今度はひるまなかった。

平気で見せた。(実は恥じらう顔も見たかったけれど)


男気もある子と思う。

しっかりと考えて、思い込んだら、負けない子。

まっしぐらかも、いい感じの子。

私とは求め合うことを、意識していた。

だから、見せつけた。(迷わなかった)


夕食も一緒にしたい。

和風がいいと思う。

たくさんのお刺身、焼き魚はアジ煮魚・・・金目鯛の煮付けとか。

日本の味を忘れてはならないと、思う。

特に畳や布団を珍しく思うような日本人男子には、教えないといけない。


・・・いろいろ考えていたら、直人君の手が、私の胸にのびた。

(寝息立てていたのに、いつのまにか)

面白いから、遊ばせている。

年下の可愛い子に、いじられるのも、いい感じ。


直人君

「せめられた仕返し」


だから言い返した。

「その程度?」

(直人君は、また、寝たフリを始めた)


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