第37話台湾からの少女香麗③

昼食が運ばれて来た。

華やかな鳥の形を描いたような前菜、食欲をそそる香りが漂うスープ。

ゴロッとした大きな肉の煮込みと青梗菜。


香麗は、表情が、どんどん柔らかくなっている。

「直人の体調に合わせて、薬膳料理にしたよ」

直人は、少しためらった。

「そんなに体調悪そうに見える?」

香麗は、頷く。

「まだ、病み上がりって感じよ」

「身体の中から、活性化して、老廃物を出す」

「その意味での薬膳料理」


直人は、その「薬膳料理」を食しながら、身体のホテリを感じている。

「そう言われれば、汗が出て来た」

(とにかく、身体の内部が熱い)


香麗は、そこで意味深な笑み。

「それと、媚薬も多めだよ」

直人は、頭がクラクラとなった。

「その媚薬も、身体のため?」


香麗は、また笑う。

「若い男の子」

「ずっと禁欲生活して」

「多少放出しても、まだまだ、だろうし」

少し間があった。

「私も、直人を味わってみたいなあと」

「抱いてもOKだよね」

(この抱いてもOKだよね・・・の意味は不明だった)


直人は、香麗をじっと見た。

「アニメ以上の美少女」

「小柄で、胸もお尻も、程よく盛り上がっている」

ただ、直人自身の心が、香麗と、「その関係」になることに、ためらいがある。


サラの時は、押さえつけられて、無理やりの感が強かった。

彼女の、寂しい気持ちに応えようと、彼女が望むなら、と必死だった。

でも、香麗には、そこまでの寂しさは感じない。

直人自身が、「性倫理」をこれ以上壊したくない。

内心では、そう思っている。

ただ、身体の「反応」が、かなり強い。

媚薬も強く効いて来たようだ。

(少しの刺激で、暴発も、ありうる状態)


香麗の顏も、媚薬の効果で真っ赤になっている。

「ねえ、直人、何とかして」

「私、アブナイよ」

「もう、クラクラして」

「ここでもいいよ」

「抑えられない」


食事は、中途で終わった。

(直人も、香麗も、媚薬の効き過ぎで、身体が無理だった)


香麗の声が震えた。

「私の部屋でいい?」

直人は頷くだけ。


直人と香麗は、香麗の部屋に入った。

(途中、杉本瞳、南陽子、美明⦅香麗の台湾人メイド、25歳⦆が、媚薬でフラフラの二人を支えた)

すごく広い部屋、シンプルながら、美しい中華風の内装。

しかし、香麗と直人は、そんな状態ではなかった。



激しい求め合いが、約2時間続いた。



香麗の顏が、輝いた。

「直人、ご馳走様」

「美味しかった、とびきりのご馳走は、直人だよ」

「身体がまだ喜んでいる」

「アフロディーテのお恵みかしら」


直人は、放出し過ぎの疲れの中、「女神アフロディーテは、美と愛・・・そして性を司る」と、おぼろげに考えた。

そして、何故、アフロディーテの名前を冠するのか。

それについても、考え始めた。

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